1984年、東宝+キネマ旬報社、黒井和男脚本、大原豊脚本+監督作品。
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西ドイツ、フランクフルトに降り立った鉄道カメラマン森田次郎(武田鉄矢)は、ホテルから仕事の依頼人である日本の雑誌社の編集長に電話を入れる。
自分は英語は何とか分かるのだが、フランス語やドイツ語はダメなので、ガイドを雇いたい。
ついては、その予算を送ってもらえないかと伝えるが、全く相手にしてもらえない。
オランダ、アムステルダムに到着し、又しても安ホテルにしけ込んだ次郎は、タクシーから降りる際、財布を落としてしまい途方にくれていた女性(ガブリエル・サニエ)と知り合う。
次郎が酒場で彼女の名前を尋ねても、壁に貼られた「風と共に去りぬ」のポスターを見て「ビビアン・リ−」としか答えない。
良く事情が分からないながらも、すっかり酔いつぶれた彼女を自分のホテルに連れて帰った次郎は、翌朝、パリへ向う列車「北の星号」までも、彼女が乗り込んできた事に驚くのだった。
しかも、彼女がいうには、自分が次郎のガイドをやってやるから、その代わり、自分の旅費一切を払ってくれという。
次郎は怪しみながらも、事の成行き上、彼女をガイドとして同行させる事となってしまう。
どうやら彼女は、何者かに追い掛けているらしいのである…。
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最初の方は、実際の鉄道カメラマンの逸話をベースとしながらも、途中からは完全に、有名な某名作映画のパクりになってしまっている奇妙な作品。
基本的には、ロードムービーというか、観光映画に近く、フランスのパリ、スイスのブリーグ、イタリアのベニスと二人は旅していく。
サスペンス要素は、ほんの付け足しといった所だろう。
基本的に、日本人俳優は武田鉄矢一人といって良く、後は外国人俳優が登場している。
「禁じられた遊び」や「太陽がいっぱい」のルネ・クレマン監督や、ミレーヌ・ドモンジョなどといった意外な顔ぶれがゲスト出演しているのも見所。
当時「刑事物語」シリーズが好調だったので、武田鉄矢への慰労の意味も込めて作られたという事なのだろうか?
しかし、このあまりにも露骨な「パクり」振りはどういう事なのか?
しかも、作っているのが、天下の(?)「キネ旬」。
シャレとか、オマージュといったレベルではないような気がするのだが…?
主題歌「フレンズ」や、ヨーロッパの風景、そして、各国の列車の姿は美しい。
列車ファンにはお勧めだろう。
