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EAST MEETS WEST

1995年、松竹+Ferture Film EnterpriseIII+喜八プロダクション、岡本喜八脚本+監督作品。

▼▼▼▼▼最初にストーリーを書いていますので、ご注意ください!コメントはページ下です。▼▼▼▼▼

1860年、時のアメリカ大統領ブキャナンは、日本の使節団を招聘し、修好条約を結ぶ旨、日本側に打診する。
それに対して、大老井伊直弼は承諾し、かくして咸臨丸はジョン万次郎(岸部一徳)や勝麟太郎(仲代達矢)を乗せ、サンフランシスコへと到着する。

その船に同乗していた若者の中に、一人の元水戸藩士がいた。
上條健吉(真田広之)であった。

彼は、日本人歓迎のレセプションで賑わう町で、咸臨丸から一時銀行へ運び込まれていた三千両の小判が、強盗に奪われる現場に出くわす。

とっさに三人は斬り殺した上條だったが、まんまと賊たちに金は奪われてしまう。

彼は、その金を追う事になるのだが、たまたま銀行に居合わせ、賊から目の前で父親を殺されてしまった貧しい少年サム(スコット・パッチッチャ)も同行する事になる。

サムは、それから、上條の事をジョ−と呼ぶようになる。

サムは、父親の仇討ちをしたいという。
ジョ−は、自分もサムに「助太刀する」と伝える。

その頃、盗まれた金を追うもう一人の日本人がいた。

銀行で賊に襲われながら、警護しきれなかった元お庭番…つまり「忍者」の為次郎(竹中直人)であった。

彼は、万次郎から、アメリカで行動するには英語がしゃべれなくてはならないだろう。
映画がすぐに上達するには、アメリカ人の恋人を作るのが一番手っ取り早いと、おかしなアドバイスを受け、それが元で、あれこれ失敗を重ねた後、誤解が元でシェリフに捕まっってしまう。

そこで、同じく入牢させられていたクロウ族のインディアン娘、ナンタイ(アンジェリック・ローム)と出会い、あっけなく彼女と結ばれた為次郎は、万次郎の口利きで釈放された後も、そのままナンタイと行動を共にする事になる。

一方、ジョーから小刀を授かったサムは、長らく行っていなかった学校のハーディ・ハミルトン先生に会いにいくのだが、何と、その先生もサムの話を聞いて、自分も助太刀として付いていくと言い出す。

さらに、銀行強盗の一味で、ジョ−の投げたこづかが尻に刺さって医者にかかっていたハッチを見つけだしたハーディ先生は、金を盗んだボスは、ガス・テイラ−という男で、今はニューメキシコのユニコーンという町にいるという事を聞き出す。

かくして、ジョ−とサム、為次郎改めトミ−とナンタイ、ハーディ先生とハッチ、さらに、途中の町で知り合った青年達も加わった助太刀一行は、ガスから奪われた金を取り戻すため、ユニコーンの町へ乗り込むのだった…。

 

▼▼▼▼▼個人的なコメントはここから下です。▼▼▼▼▼

正直な所、色々奇抜なアイデアがうまく生きておらず、テンポも悪いため今一つ面白くない。

一人、竹中直人のいつものおふざけ演技が浮いている感じである。

クライマックスへ向う盛り上がり感に乏しく、どちらというと、ロードムービーのようなのんびりした印象の展開になっている。

ひょっとすると、そういう路線が喜八監督の狙いだったのかも知れないが、何やら痛快なアクションものを予想していた観客にとっては、肩透かしを喰ったのではないだろうか。

ラストの方もモタモタした感じで、どうにもスッキリしない。

何となく、喜八監督の西部劇に対する思い込みが先行してしまった感じで、ちょっと、観客はおいてけぼりを食わされているのではないかという印象がある。

まぁ、内容をうんぬんするよりも、これだけの作品を、喜八監督が高齢にもかかわらず、完成させ得たという事自体を喜ぶべきなのかも知れないが…。