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里見八犬伝 第三部 怪猫乱舞

1954年、東映京都、滝沢馬琴原作、村松道平脚本、河野寿一監督作品。

▼▼▼▼▼最初にストーリーを書いていますので、ご注意ください!コメントはページ下です。▼▼▼▼▼

大塚村の処刑場で、鉄砲隊の構える火縄銃の前に立ちふさがった犬塚信乃(東千代之介)、犬飼現八(中村錦之助)、犬田小文吾(島田照夫)、犬川荘助(小金井修)の四剣士であったが、その時、一天にわかにかき曇り、鉄砲隊の火縄銃の銃口が燃えはじめる。

現れいでたるは、忍術使いの犬山道節(月形哲之介)。

無事難を逃れた4人は、また消えてしまった道節も含め、残りの剣士を探すため、別れて旅立つ事になる。

庚申山という山に近づいた犬飼現八は、茶屋の親爺から、この先の赤岩村という所には、妖怪が巣食っていると聞かされる。

何でも、今から17,8年前、赤岩一角(薄田研二)という豪傑がおり、その妖怪退治に出かけたが、独り帰ってきてからは、人が変わったように冷酷な人柄になってしまい、後妻をもらって以降は、正妻の子供、角太郎を勘当してしまったという。

その角太郎は、その後、母親の兄に育てられ、ひな衣(林玉緒)を娶るが、そのひな衣が何時の間にか妊ってしまったとして、別れて暮しているという。

犬飼現八は、そんな話を胸に山に入り込み、怪し気な妖怪が現れると、その片目に矢を射込む事に成功する。

さらに、勇を奮って怪し気な洞窟内に入り込むと、赤岩一角の亡霊が現れ、自分はすでに、山猫の妖怪に殺されている。里に帰った一角は、その妖怪猫が化けた姿だという。

一方、その偽一角の道場に訪れたのが、犬塚信乃と犬川荘助。

片目を失っていた偽一角と、その息子で師範代の牙二郎は、腕利きの二人を懐柔し、酒を飲ませて寝入った所を夜討ちにしようとするが果たせなかった。

やがて、角太郎の元を、偽一角と、彼に取り入っていた船虫(赤木春恵)が訪れ、勘当を解く代わりに、自分の眼の傷を直すために、妊っているひな衣の子供の生肝を渡せと無理強いをする。

窮地に陥った角太郎の元に駆け付けたのは、犬塚信乃、犬飼現八、犬川荘助の三剣士!

実は、角太郎も、不思議な「礼」の珠を持つ剣士で、ひな衣の懐妊も、その不思議な珠の力によるものであったのだ。

怪猫と戦う四剣士!

戦いの後、彼らの眼前には、「石浜城」と文字が浮かび上がった障子が…。
早速、石浜城へ向う四剣士の横を、犬山道節が乗った馬が駆け抜けていく。

 

▼▼▼▼▼個人的なコメントはここから下です。▼▼▼▼▼

五部作の中でも、怪奇性が一番強く現れた、子供にとってはワクワクするエピソードになっている。
ただし、ひな衣と角太郎の夫婦愛とか、妊娠をめぐるエピソードなど、子供向けなのに良いのだろうか?と、疑問を感じる部分も多い。

まだ、恰幅がいい時代の薄田研二、今とは、まるで別人のように若い赤木春恵の怪演が楽しい。

化け猫は、今、安っぽいイヴェントなどで使われる着ぐるみと同じ作り。
頭の部分は張りぼてで作ってあり、身体の部分は厚みのない、よれよれの衣装といった感じ。
今観ると、情けないものだが、当時の子供達にとっては、こんなキャラクターでも夢中になれたのかも知れない。

網乾左母二郎に襲われてピンチだった浜路は、且開野という女田楽に助けられる。