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忍者部隊月光

1964年、東映、吉田竜夫原作、高久進脚色、土屋啓之助監督作品。

少年キング連載の人気漫画をテレビ映画化したものの、さらに劇場版である。

▼▼▼▼▼最初にストーリーを書いていますので、ご注意ください!コメントはページ下です。▼▼▼▼▼

サハラ砂漠で行われた、水爆の数倍の威力を持つという新核兵器『Zスター爆弾』の実験フイルムを観て、国際軍事秘密結社ブラック団の総統、ブラック(エド・キーン)は、これで世界征服できると大喜び。

その後、世界連合から日本の羽田に降り立った『zスター爆弾』の発明者ローゼンハイマー博士の鞄が突如爆発、博士は死亡したかに思われたが、彼は、日本の曙機関の機関長、南郷(中山昭二)の策略によって、あらかじめ送り込まれていた替え玉であった。

本物のローゼンバーク博士は、立川基地経由で、すでに日本の藤波博士(明石潮)とホテルで合流していたが、黒づくめのブラック団に急襲され、二人とも連れ去られてしまう。

南郷が送り込んでいた忍者部隊は、博士達を奪還せんとブラック団を追ったが、彼らはヘリを使い、まんまと博士達をどこかへ連れ去ってしまう。

そのヘリに、発信装置を撃ち込んだ謎の三人組は、国防省直属の忍者部隊、月蝕(小川守)、流月(波木井健二)、月風(若宮五郎)であった。
彼らは、南郷の紹介で、月光(水木襄)ら忍者部隊に合流するのだった。

彼らは、電波発振器からの信号で、敵の位置をゴーダル山脈という所にあると突き止め、ジェット機で急襲するが、そこには前線基地があるだけで、目指す博士達の姿はなかった。

ブラック団はさらに、世界連合の事務総長ベルドリック(ハロルド・S・コンウェイ)の乗った旅客機を、ジェット機のミサイルで撃ち落としてしまう。

遭難現場を調査中の月光達は、付近の地面に埋められ、発狂したかのような様子の藤波博士を発見するが、実はそれは博士の策略で、彼は敵の裏をかき、月光らに敵の情報を教えるのだった。

しかし、その直後、博士の身体に付けられていた発信機によって全てを盗聴していたブラック団に襲われ、博士は絶命してしまう。

やがて、ブラック団から、『zスター爆弾』が完成したので、東京、ニューヨーク、パリ、モスクワ、ロンドンの内にどこかにそれを落とされたくなければ、一千億相当のダイヤを指定の海上に落とせと連絡がある…。

 

▼▼▼▼▼個人的なコメントはここから下です。▼▼▼▼▼

1964年であるので、日本中が「忍者ブーム」と「007ブーム」に涌いていた時代の物語である。
本作にも、その影響が色濃く出ているのはいうまでもない。

核爆弾による世界脅迫、巨大ロケット発射、モーターボートによる水上アクションや、アクアラングを付けての水中アクション、「ドクター・ノー」から「サンダーボール作戦」の頃の007を連想させるシーンがめじろ押し。

ブラック団の総統ブラックは、スぺクターのブロフェルドを意識したキャラクターのようにも思えるが、ブラック団自体は、どう観ても、後の「仮面ライダー」における『ショッカー』そのものである。

鷲をかたどったマークが飾られた基地内、黒いベレー帽に黒いシャツ姿の隊員達。
総統の下に副総統の竜虎(関山耕司)がおり、その下にさらに何人かの幹部らしき人物がいる構成などもそっくりである。

バラモンと名乗る凶悪な幹部は八名信夫である。

また、変装をして忍者部隊に潜り込み、地獄谷という場所で、そのバラモンから無惨にも爆死させられてしまう殺人部隊のシュナイダーを演じているのは小林稔侍。

明月を演じているのは、後の「ライダーマン」や「電人ザボーガー」こと、山口暁。

主役を演ずる水木襄は、当時から小太り体型で、網シャツを着ているだけの水中シーンなどでは、おなかがぷっくり出ており、ヒーローとしてはかなり悲惨である。

アクションシーンはあれこれ用意されているが、全体の構成が弱いので、今一つ盛り上がらないのが惜しまれるが、ミニチュアを使った特撮シーンなどには見るべき所も多い。

吉田竜夫の「現代に活躍する忍者」という発想は、後の「科学忍者隊 ガッチャマン」へと繋がっていく。

そういう意味も含め、色々、ヒーローものの過渡期の作品として観ると、興味深い作品になっている。


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