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若い季節

1962年、東宝、小野田勇原作、小野田勇+田波靖男脚本、古沢憲吾監督作品。

NHK初期の人気テレビ番組の映画化で、全編、歌って踊ってのミュージカル仕立て。

▼▼▼▼▼最初にストーリーを書いていますので、ご注意ください!コメントはページ下です。▼▼▼▼▼

銀座に本社のあるプランタン化粧品の女社長、棚尾ケイ子(淡路恵子)は、赤いスポーツカーで颯爽と出社早々、南川常務(平田昭彦)、松森専務(松村達雄)らを社長室に呼び寄せる。

ライバル会社であるトレビアン化粧品の新製品「飲む白粉 ホワイトロマン」の発売を告知する新聞広告を見せて、プランタンが準備を進めてきた同じく「飲む白粉 ドリンクローズ」の緊急発売を指令する。

さらに、社長は、人事課長の有馬(有島一郎)に、産業スパイが社内に潜入しているに違いないと、その極秘捜査を命ずるのだった。

そういう事に不馴れな有馬は、給仕の坂本九馬(坂本九)に、怪しい人物の捜査を押し付けてしまう。

九馬は、チャームガール(女性販売員)の令子(団令子)に近づき、彼女の写真を撮って、社内募集のポスターに採用されたのをきっかけに、会社専属カメラマンとなった、藤尾富士男(ジェリー藤尾)が怪しいのではと疑う。

一方、社長のケイ子は、赤坂の料亭「さわむら」の女将をしている姉のさわ子(沢村貞子)からのコネで、会社に招こうとかねてよりコンタクトを取っていた、パリ帰りの優秀な口紅研究者、ケン加賀美(谷啓)を羽田に迎えに行くが、そこでも、トレビアン化粧品の木下専務(清水元)に先を越されてしまい、ますます、スパイの存在を確信する事になる。

しかし、結局、加賀美は研究所が気に入ったからと、プランタン専属となり、会社が研究を進めていた新製品の「液体口紅」の手伝いをし始める。

宣伝課の無責任主任、植木(植木等)の思いつきが採用され、「ベニカオール」と名付けられた、その新製品の発表会が迫る頃、ケイ子社長の姪(さわ子の娘)でプランタンのチャームガールでもある弓子(浜美枝)は、ひょんな事から付き合い始めた、トレビアン化粧品の宣伝部員、佐谷(佐原健二)の呟いた何気ない言葉から、今度の新製品には注意が必要と叔母に助言しに行くのだが…。

 

▼▼▼▼▼個人的なコメントはここから下です。▼▼▼▼▼

宣伝課の面々は、波奈まじめ(ハナ肇)課長以下、クレージーキャッツの面々。
チャームガールの中心的存在の4人組は、谷啓が一目惚れする久美役の藤山陽子、浜美枝、団令子、中真千子、各々、基本的に黄、白、青、赤を基調にしたファッションで統一されており、さながらゴレンジャーのよう。

営業課長は人見明で、社長命令で理工学部出身の新入社員の勧誘相手として彼が会いに行く、都南工業大学の学生、新藤朝太は古今亭志ん朝。

喫茶店「トップ」の気障なマスターは青島幸男。

トレビアン化粧品の女性販売員として若林映子。
アメリカ帰りの全身美容の研究家、楠七重として、新東宝作品などでお馴染みの三原葉子が登場する。

九ちゃん、植木を中心に、数多くの歌と踊りが披露されるが、中でも最大の見所は、互いのヒット曲を交換して歌うシーンがある事。

給料日、月給袋を手にした植木が、嬉しそうに「♪サラリーマンは〜♪」とくれば、九ちゃんが「♪気楽な稼業と来たもんだ!」と「どんと節」を歌う。

また、亡くなった母親の写真が入った財布を落とした九ちゃんが、哀しそうに「♪上を向〜いて♪」とくれば、植木が「♪歩〜こ〜お〜」と「上を向いて歩こう」を歌い出す。

高度成長期まっただ中の銀座の様子、サラリーマンやBG(ビジネスガール)たちの生き生きとした生態。
作り物とは分かっていても、そこに描かれている「明るさ、元気良さ」は、今観てもとてつもなく楽しい。

元気の欲しい人、必見の映画だろう。


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