1954年、東宝、吉川英治原作、若尾徳平脚本、稲垣浩脚本+監督作品。
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竹蔵(三船敏郎)と又八(三國連太郎)は、侍になるのを夢見ていた。
血気盛る竹蔵に比べ、又八の方は、お通(八千草薫)という許嫁がいるため煮え切らない。
しかし、二人は村を飛び出し、関ヶ原の戦いに参加するが、穴掘りばかりさせられたあげく、戦は負けてしまう。
傷付きながらも、命からがら逃げ出し、とある家にたどり着いた二人は、そこで、お甲(水戸光子)と朱美(岡田茉莉子)親子に出会う。
死体から、金目の物を盗みながら生活していたその親子は、野武士達に付け狙われていた。
お甲は、その野武士達から自分を守ってくれた竹蔵に身を任せようとするが果たせず、結局、又八の方をそそのかして逃亡を計る。
一人取り残された竹蔵は、生まれ故郷に帰ろうとするが、関所破りの咎で村に捜査の手が伸びる。
又八の無事をおばば(三好栄子)とお通に知らせに来た竹蔵だったが、役人達に通報されてしまったため、山に逃げ込み、後に山に入ってきた沢庵和尚(尾上九朗右衛門)とお通に説得され、彼らにおとなしく捕まる事になる。
沢庵和尚は、竹蔵の首を要求する池田輝政配下の目をごまかす意味もあり、修行が足らぬと、竹蔵を大きな大木に吊るすのだった…。
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三部作の第一部に当たる。
二人の青年の運命が大きく別れて行く顛末を描いている。
本編では、さらに、又八に裏切られ、絶望しながらも、やがて、一人立ちしようと武蔵に気持ちが傾いて行くお通の様も描いて行く。
又八役の三國連太郎独特の、ちょっとけだるいような目つき、物腰が、この頃から見て取れ、興味深い。
一目で武蔵に惚れる、奔放でピチピチした娘役を演じる岡田茉莉子も魅力的。
三船の竹蔵役は、いつもの三船のイメージ通り、特に際立って印象的とも感じられない。
どちらかというと、京都で、お甲の尻に敷かれながら無為に日々を送っている又八、さらに、気丈にも、竹蔵を捕まえんと、老齢にもかかわらず、村から旅立つおばばの先行きなどが、気になってしまう。
