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フランキー・ブーチャンのあゝ軍艦旗

1957年、日活、梶野恵三原作、柳沢類寿脚本、春原政久監督作品。

フランキー堺とブーチャンこと市村俊幸が主演の新兵コメディ映画。

海軍兵学校に入隊した江戸っ子、門馬三太郎(フランキー堺)と、田舎弁丸出しの間々田伍助(市村俊幸)は、そのトロさ振りが共通する事もあり、すぐに意気投合する。

入隊後初の面会日、間々田には恋女房のお光(中原早苗)が会いに来ていた。
それをうらやましがる門馬。

部隊では、小班長の酒巻(小沢昭一)のいじわるを受けながら、厳しい訓練に明けるれる日々。
しかし、何をやってもトンチンカンな間々田と門馬は失敗ばかり。

ある日、懲罰のために、二人して校庭を歩かされていた最中、敵機の襲来を受けてしまう。
ところが、機銃掃射から逃げ回っている内に、門馬はひょんな事から、敵機を偶然撃ち落としてしまい、その功績が認められて関分隊長(市村俊幸-二役)から二階級特進の栄誉を受ける。

一方、恋女房のお光の事が頭から離れない間々田は、部隊内での演芸会で、関大尉の制服を借りて門馬と芝居をしている最中、空襲にあい、混乱の最中、その格好のまま外に飛び出してしまう。

実は、お光も、夫を慕って、近くの町の飲み屋で飯炊きとして住み込みの仕事をしていたのであった。

逃亡兵は見つかり次第、射殺されるという事で、門馬はじめ、部隊の一同は、必死に彼を探しに町ヘでかけるのだった。

 

▼▼▼▼▼個人的なコメントはここから下です。▼▼▼▼▼

おっちょこちょいタイプのフランキーと、のんびりタイプの市村俊幸のコンビネーションを楽しむ作品だが、新兵コントというのは、大体パターンが決まっているため、特に斬新さがある訳ではない。

訓練におけるドタバタか、日々の生活(食事や寝床)でのエピソードが中心となるのだが、身体を動かしまわるフランキーはまだしも、太ったブーチャンののんびりキャラというのは、いかにもありきたりで、笑いとしては弱い。

市村俊幸が二役を演ずるという趣向も、他のコンビ作品でも見かける事から、当時は一つのお約束というか、観客へのサービスだったと思われるのだが、今観ると、面白いというよりも、その不自然さの方が気になってしまう。
少なくとも、関分隊長にはじめて出会ったフランキーは、間々田そっくりの相手の風貌に驚かなくてはおかしいはず。

懲罰のため、夕飯を抜かれた門馬と間々田が、連体責任を負わされた他の仲間の空腹を満たそうと、夜中、厨房に忍び込み、肉を盗み出そうとする内に、上官達に見つかりそうになって逃げ回る内に、門馬が朝食用に米が入れられていた大きな圧力釜の中に逃げ込み、そのまま蓋がしまってしまい、翌朝、危うく、自分も飯と一緒に炊きあがりそうになる所などは面白い。

ちょっとオカマっぽい雰囲気の同期生、小牧(大泉滉)も、出番は少ないながら、妙におかしい。