1958年、宝塚映画、小野田勇原作、中田竜雄+淀橋太郎+蓮池義雄脚本、斉藤寅次郎監督作品。
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とある山奥、戸沢白雲斎(益田喜頓)が教える漫画流忍術学校があった。
雲隠平助(三木のり平)は、そこの落第生。
何をやらせてもうまくいかず、化けられるのは奇妙な女の姿だけ。
そんな白雲斎の元に、大阪城より淀君(汐風亨子)が直接出向いて来て、大阪城の秘密の絵図面が、徳川方の早耳甚内(八波むと志)なる隠密に盗まれたので、奪い返して欲しいと依頼する。
白雲斎は、老齢の自分に変わって、男として育てて来た娘の忍(環三千世)に任務を命ずる。
彼女には、万が一、男と接吻などすると、翌朝まで忍術が使えないのだと忠告する。
さらにその護衛として、絶対、女には縁のなさそうな平助をお供につける。
その頃、江戸に向う途中であった早耳甚内は、スリのお銀(朝雲照代)に絵図面の巻物をすられた事に気付き、慌てて追い掛ける途中で、その巻物は川に捨てられてしまう。
その巻物を拾ったのが、三浦屋という遊女屋に売られて行く途中のお春(桜井園子)という娘。
三浦屋の前で、彼女に会いたがっている幼い弟の姿を見かけた平助たちは、その遊女屋に入り、彼女を身請けしてやる。
しかし、そこで偶然出会った早耳甚内には、まんまと逃げられてしまうのだった。
やがて、山中に入り込んだ陣内は、山賊達に捕まってしまう。
しかし、その頭領は、陣内と顔なじみの怒雷也一角(トニー谷)だった。
後から追い付いた忍達は、得意の忍術で怒雷也一味を一旦は退治するが、油断した隙に、忍が罠に引っ掛かってしまう。
そこへ現れて彼女を救ってくれたのが、ここへ来る途中で、陣内と間違えて斬り掛かってしまった松平弦三郎(小原新二)という侍。
別れ際、思わず恋してしまった彼と接吻をしてしまった忍は忍術が使えなくなり、山賊達に捕らえられてしまう。
忍術落第生の平助はどう、この場を切り抜けるのか!
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他愛無いドタバタ時代劇だが、三木のり平のとぼけたキャラクターがうまく生かされており、肩の凝らない楽しい作品に仕上がっている。
三浦屋では、ミヤコ蝶々、南都雄二コンビが登場し、お得意の夫婦漫才を披露してくれるし、山中での怒雷也と忍、平助と陣内の4つ巴の対決は、がけっぷちに立つ小屋をうまく利用して、サスペンスフルなドタバタアクションが楽しめる。
後半は、のり平の得意芸、女に化けての妖し気な踊りが披露され、さながら「社長シリーズ」の宴会芸を観る気分にさせられる。
道中、のり平の歌も聞かれるし、のり平ファンにはたまらない作品だと思う。
対照的に、キリッとした美貌の忍も愛らしく、彼女が美少年と間違われて遊女にモテまくり、戸惑う姿や、山中で出会った弦三郎にときめいて、思わず娘姿に変身して恥じらう姿などは印象的である。
一時間程度の短い作品だが、実写版懐かし漫画を観ているようで、子供からお年寄りまで、誰にでも楽しめる作品だと思う。
