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男はつらいよ 私の寅さん

1973年、松竹、朝間義隆脚本、山田洋次原作+脚本+監督作品。

▼▼▼▼▼最初にストーリーを書いていますので、ご注意ください!コメントはページ下です。▼▼▼▼▼

物語前半は、久々に柴又のとらやに帰ってきた寅が、ちょうど、おいちゃん、おばちゃんを連れて、3日間の九州旅行に旅立とうとしていたさくらたちとかち合ってしまい、自分だけが留守番をしなければいけなくなるる…というすれ違いのおかしさが中心となる。

旅先から電話をかけるさくら達に対し、すっかりふて腐れてしまった寅の様子を心配したおいちゃん、おばちゃんたちが、旅行を途中で切り上げて帰ってみると、彼らとの再会を異常に待ち焦がれ、あれこれ準備して待っていたものの、いざ、帰宅したみんなを前にすると、照れてまともに顔も観られない寅のナイーブな姿を発見、一同呆れるやら、嬉しいやら…。
寅の方も、家族との絆を改めて再認識して、今後は真人間になると、御前様に報告する…というもの。

物語後半は、寅の小学生時代の級友「でべそ」こと、放送作家の柳文彦(前田武彦)がとらやを訪れ、寅と旧交を暖めた後、二人は文彦の妹の家に遊びに行くのだが、そこで画家をしているりつ子(岸恵子)の描きかけの絵を、酔った寅が汚してしまった事から、初対面のりつ子と大げんか。
しかし、その後は、いつものように、寅が彼女に秘かに思いを寄せるようになる…というお話になる。

意外に早く、りつ子と仲が良さそうな画商(津川雅彦)がとらやに登場し、あっさり失恋した寅が、そそくさと旅支度を始め、一同に別れをいっていると、りつ子が戻って来て、画商の事を気にしていない風なので、現金にも、にんまりしてしまう寅の姿が笑わせる。
家族全員、いつもの寅の失恋パターンをすっかり承知している…という、定番をひねったギャグである。

寅の気持ちを知ったりつ子から、「いつまでも、いい友達でいたいの」といわれた寅が、その場は快諾したような素振りを見せながらも、その後、すぐに旅立ってしまう辺り、男心の心理の微妙さが良く出ており、しんみりさせる。

 

▼▼▼▼▼個人的なコメントはここから下です。▼▼▼▼▼

本作では、旅に出るのは寅以外のメンバー達で、寅自身の行動は、ほとんど柴又中心に限られており、異色といえば言えるが、ちょっとちまちました印象になっているのは否めない。

4、5才児の満男を演じている中村はやと君という子役が、なかなか、メンバー達になついている様子が見て取れ、微笑ましくも感じる。

この頃の岸恵子を観ていると、何故か、コーヒーに入れる「マリーム」という懐かし乳製品のCFを思い出す。