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思い出の指輪

1968年、松竹&ホリプロ、斉藤耕一監督作品。

▼▼▼▼▼最初にストーリーを書いていますので、ご注意ください!コメントはページ下です。▼▼▼▼▼

城南大学の大勢の友人に囲まれて結婚する学生同士の「人前結婚式」の会場から物語は始まる。(司会を勤めるのは、三遊亭歌奴=現、円歌)

その場に先輩として主席していた、今はプレイメイトという雑誌社に勤めているマサ子(水森亜土)が、女学生たちの伝統である「ナルシスの指輪」の由来に付いて、映画の観客に説明する。

在校男子学生の中から、女学生たちのお眼鏡にかなった「理想の男子」に例年、その指輪が贈られて来たのである。

初代は、守谷浩。(今は、同じ大学だった本間千代子と結婚しているという設定)
昨年選ばれた七代目は、マサ子の恋人で、今や人気絶頂のGSスパイダースの一員である堺正章!

画面変わって、ショッキングピンク色の背広姿のスパイダースが、走行中のミニバスの上で「あの時君は若かった」を歌っている。

マチャアキ、井上順、かまやつひろし…と、お馴染みのメンバー。

彼らは、ビートルズ映画の「a hard days night」のように女の子たちに追い掛けられ、とある港のコンテナの中へ逃げ込む。

そのコンテナはタヒチ行きの荷物だったから、さぁ大変!

結局、スパイダースはそのまま(マチャアキ所有の指輪と共に)、タヒチへ空輸されてしまう。

そんな事とは知らない在校の女学生たち、今年の指輪候補者として5人の男子学生を選びだす。

それが、ヴィレッジ・シンガースの面々である。

ここでようやくタイトル。

「成績は10番以内であってはならない」とか「酒タバコは適度に嗜む」とか「恋人があってはならないが、女性に無関心でもいけない」などと、「指輪委員会」が定めたいくつかの条件に、彼ら候補生たちが合致しているかどうか、学内一の可愛い子ちゃん、平瀬マリ(山本リンダ)にも協力を頼んで調べはじめるが、肝心のヴィレッジ・シンガースたちにとっては迷惑千万、彼女たちの調査を煙たがる。

そんな彼らにお詫びの意味も込めて…と、女学生たちは、彼らを山中湖にある別荘に招待する。

もちろんお詫びとは口実で、彼女たちの審査は続いていたのである。

そのバス旅行の途中、山道で一人の女性が楽器を積んだリヤカーを運び倦ねている所に出くわす。

さっそく、バスから降りて、その女性を助けるヴィレッジ・シンガースのメンバーたち。

その夜、彼らがいる別荘に、昼間助けた女性が訪ねてくる。

彼女は、富士急ハイランドで予定されていたGS大会に出場するグループのマネージャーだったのだが、そのメンバーたちが来ないので、そのスタンドインになってくれないかというのであった。

音楽嫌いで通っていた彼らは、一旦断るものの、「チョロ」こと清水道夫が助けよう…と言い出した事で、全員、仕方なく協力する事に…。

ステージの上に立った彼らに聞こえて来たメロディは、聞き覚えのあるものだった。

何と、後ろでテープを回していたあの女マネージャーこそ、高校時代、グレかけていた彼らを音楽を通じて救ってくれた坂本先生(中山仁)の妹、京子(尾崎奈々)だったのだ。

その後、病気になって彼らの元から去って行った坂本先生を思い出すのが辛く、彼らはそれまで好きだった音楽から意識的に離れていたのであった…。

しかし、今聞こえて来た懐かしいメロディに触発され、彼らは再び歌い始める…。

当然、ヴィレッジ・シンガースの名曲「亜麻色の髪の乙女」も、山中湖をバックに披露される。

 

▼▼▼▼▼個人的なコメントはここから下です。▼▼▼▼▼

典型的なアイドル映画ながら、松竹の作品にしては明るく、なかなか楽しい作品に仕上がっている。

走るかまやつひろし(!)、ぶりっこ時代の山本リンダ、きちんと喋っている水森亜土など、今となっては信じられないような貴重な映像に出会える。