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超能力だよ 全員集合!!

1974年、松竹大船、渡辺祐介+田坂啓脚本、渡辺祐介監督作品。

▼▼▼▼▼最初にストーリーを書いていますので、ご注意ください!コメントはページ下です。▼▼▼▼▼

シリーズ13作目にして、志村けんが、ドリフの正式メンバーとして初めて登場する作品。(それまでにも、チョイ役では出た事がある)

井刈長山(いかりや長介)は歌舞伎町で店を開いている、全く売れない占い師。

そんな長山の所にフラフラやってきたのが、「私の過去を教えて下さい」と不思議な頼みごとをしてきた、ぼろぼろの風体のおかしな青年(加東茶)。
彼は、詩を書いて売っているのだといい、自らの作品を読んで聞かせるのだが、それは何と、長山自身の暮しについて書いたものであり、全て見事にいい当てていた。

その奇妙な男は記憶喪失であるものの、その代償として、本当の予知ができるのであった。

1999年8月3日、ゴリラの惑星生まれのゴリラ(長さんの事)に世界は食いつぶされてしまう…なんて、予言までする。

長山は、そんな青年を金儲けに利用できると見抜き、自らのアパートへ連れて帰り、色々うさん臭い訓練を経た後、「しらない様」という宇宙人と称して、歌舞伎町で彼と共に占い商売を始める。

一方、秋田の加藤という富裕な家では、作詞家を夢見て家出をしてしまった息子のヒデオという青年を心配するあまり、父親(沢村いき雄)は寝込んでしまい、怪し気な新興宗教にすがるようになっていた。
「お恵み教」なるその宗教の元締め(由利徹)は、加藤家が所有しているだるま山を奪い取ろうと、東京に住む占い師の兄(伴淳三郎)と連絡を取り合っていた。

 

▼▼▼▼▼個人的なコメントはここから下です。▼▼▼▼▼

この作品、ユリ・ゲラー、五島勉の「ノストラダムスの大予言」などといった、当時の「超能力」や「終末」ブームをネタに作ってある。

予算をかけない松竹映画らしく、こういう素材を使っていても、ファンタジー色がほとんどないのが特長。

志村けんは、まだ新メンバーという事で、不動産屋の仲本工事に雇われている社員という役所。

セリフもほとんどなく、工事と長さんからいじめぬかれる役なのだが、表情などの作り方は今とほとんど同じ。はっきりいって、この頃から、仲本工事や高木ブーよりは目立っている。(髪の毛もフサフサだし)

物語後半には、すわしんじ(結局、ドリフになれなかった男)が登場してきて、カトちゃんと「アチョ〜!アチョ〜!」と「ブルース・リーネタ」ごっこの応酬。

ヒロインは、長さんお気に入りの飲み屋「雪国」のママとして榊原るみ、カトちゃんのお姉さん役で長山藍子、その恋人役で夏八木勲が、この頃から一人渋い演技を見せてくれる。

ナベプロとの提携作品なので、このシリーズ、毎回、いろんな所属タレントが顔を見せるのだが、この作品ではフィンガー5、さらに、作詞家の安井かずみや、なかにし礼(今では、東宝映画「赤い月」の原作者)なども登場するので、ちょっとびっくりさせられる。

とにかく、若くて元気なカトちゃんが頑張っており、彼の軽やかさを観ているだけでも十分楽しめる作品である。