1963年、東宝、笠原良三脚本、松林宗恵監督作品。
「社長外遊記」の続編。
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ハワイの料亭「桜亭」の経営者で未亡人の紀代子(新珠三千代)と、すっかり意気投合した風間(森繁)は、支店開業予定地の交渉はすっかりジョージ(フランキー堺)にまかせ、自分は彼女と観光名所を見て廻っていた。
ホテルでくつろぐ大島常務(加東大介)は、ベランダに干していた洗濯物の褌が風に飛ばされ、それを下で拾ってくれた現地の二世、松本彦左衛門(柳家金語楼)と出会い、こちらも意気投合する。
一方、日本にいる春江(藤山陽子)との関係が疎遠となり不機嫌な中村(小林桂樹)は、ジョージの店に勤めているキャサリン(ハヌナ節子)と親しく言葉をかわすようになっていた事をジョージからしょっちゅう注意されるし、珍田部長(三木のり平)のお供をさせられ、フラダンスコンテストに連れて行かれたりする。
そのコンテストへの飛び入り参加で優勝した珍田は気を良くし、丸急百貨店の宣伝のためと称して、その場で水着美人コンテストをホテルで開催すると発表してしまう。
一方、風間は、紀代子が本気で自分と結婚したがっている事を知り慌てる。
開業予定地の契約も、実は紀代子が先に、土地の所有社である松本彦左衛門と契約をしていた事が判明し、丸急側は窮地に立たされる。
おまけに、紀代子はライバル福助屋の社長共々、東京に行ってしまったという。
結局、水着コンテストの優勝者は、飛び入り参加のキャサリンと決定し、その御褒美もかねて、全員帰国する事に。しかし、羽田に迎えに来ていた春江は、キャサリンと中村の仲を疑い、ますます頑な態度になってしまう。
さらに、キャサリンを中村に奪われたと錯覚したジョージまでが、後を追うように来日して来る。
結局、紀代子、ジョージ、中村の三人は、全員、東京で恋に破れた同士として、これまた、意気投合する事になるのであったが…。
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思わぬ連絡のすれ違いから、風間と「ローズマリー」のママの浮気を疑った娘達が、二人の待ち合わせ場所に変装して乗り込んで行くシーンなどが楽しい。
最後は、全て丸く治まるのだが、「ちょっと、話がうまくできすぎちゃいないかね?」と、いぶかしげに森繁自身がスクリーン(観客席)に向ってつぶやく、楽屋落ちまで付いているくらい、観客と制作側の気持ちが一体化した、シリーズ絶頂期の頃の作品である事がうかがわれる。
同年、同じく人気シリーズであった「若大将」も「ハワイの若大将」として、ハワイロケを敢行している。
ハヌナ節子などは両作品に登場している。
フラダンスコンテストでののり平の芸や、水着コンテストで、鼻の下を伸ばす風間といったお馴染みのパターンも登場する。
劇中、ハワイ、東京間の飛行時間は、特急での東京、大阪間の所用時間と同じ7時間半などというセリフがあり、時代を感じさせる。
とにかく、今回は奥さんではなく、5人もいる自分の娘達のパワーに悩まされている森繁社長…という辺りが、愉快な作品。
