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007/ゴールドフィンガー

これは、最初、名画座みたいな所で観たのだが、世の中にこれほど面白い映画があったのかと、衝撃を受けたのを今でも覚えている。

冒頭からラストのラストまでアイデアに満ちあふれ、とにかく、徹底的に観客を楽しませようというサービス精神が貫かれているのが凄い。映画独自の面白さが一つの頂点を極めた作品だと思える。

シリーズ作品としては、2作目の「ロシアより愛をこめて(公開名、危機一発)」の方が、今では評価は高いが、人気を決定付けたのは、何といってもこの3作目。

当然、その影響力も甚大で、シュワちゃんの「トゥルー・ライズ」などでの引用振りは有名だが、松竹作品「進め!ジャガーズ・敵前上陸」(1968)などでは、何と内田朝雄が硫黄島に基地を持つ、ゴールドフィンガーみたいなキャラクターを演じていたりする。
さらに、007といえば「ボンドカー」!

ボンドカーの影響力(似たものが登場する映像作品)を考えただけで、いかにこの作品の人気が高かったかが分かるはず。

実は有名なテレビ人形劇「サンダーバード」にも、本作の影響が見えるし、往年の東映テレビ「スパイキャッチャーJ3」では、川津祐介が空飛ぶコルベット・スティングレーに乗って活躍したりしていたくらい。

大衆の007人気が、イアン・フレミングの小説から、ショーン・コネリ−と荒唐無稽な映像の方に移行したのもこの辺りからだろう。

元々、原作の方のボンドもかなり現実離れしているのだが、映画の方は、それをさらに増幅したようなとんでもない荒唐無稽さが真骨頂。

その辺を理解して観ないと、007映画は楽しめない。

ハロルド坂田演ずるオッド・ジョブ初め、イギリス人が大嫌いな日本人を連想させる敵が登場するのが、本国での人気を決定付けたのだと思う。