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銭形平次捕物控 まだらの蛇

1957年、大映、伊藤大輔脚本、加戸敏監督作品。

▼▼▼▼▼最初にストーリーを書いていますので、ご注意ください!コメントはページ下です。▼▼▼▼▼

現行の文政小判より、金の含有量が多い為、貨幣価値の高い元文小判の偽金を作り、大儲けを企んでいる火付け盗賊改め大沼玄蕃と、勘定奉行の谷田部、さらに蘭法医師、桂周庵(山茶花究)や商人達の裏会合の場面から始まる。

彼らは、佃島から御赦免になった囚人たちを捕らえては奴隷とし、厳重な見張りの元、ある屋敷の地下で、偽金作りをやらせていたのであった。

そうした中、ある宿に、片腕に包帯を巻いた、健太という男が病気で臥せっていた。
彼は、お吉という娘を探していたのだが、宿の仲間が代わりに探し当ててくる。

舟栄という船宿で働いている小吉(美空ひばり)の事ではないかという。

しかし、後に宿改めに訪れてきた役人の姿を見て、逃げ出す健太。

その頃、巷では、元文小判を持ってくる者だけを相手にする賭場があり、一人の粋な姉御が負け続けていた。
身ぐるみはがれ、やけ酒を飲む彼女に羽織を投げ与えたのは、健太のいた宿の近くをうろついていた門つけ芸人の新三(長谷川一夫)という三味線弾き。
踊りの師匠をしているというその姉御、お絹(小暮実千代)は、新三の顔に見覚えがあった。
神田明神下の平次ではないかと問うと、新三は笑って否定する。

一方、健太に呼び出しを受けた小吉だったが、宿では会えず、ある橋のたもとで、片腕を切り取られた水死体を発見する。
それを引き上げようとする小吉に声をかけたのは、件の新三であった…。

新三の正体を疑い、なかなか心を開こうとしない小吉であったが、新三の方は、水死体が持っていた小判に記された暗号を読み解き、偽金作りの場所をほぼ特定していた。

そこに捕らえられた元囚人の中に、小吉の父親がいる事を新三は知っていたのだ。
新三が絵解きしてみせた言葉がきっかけとなり、小吉は新三の本当の正体を知る事になるのだった。

 

▼▼▼▼▼個人的なコメントはここから下です。▼▼▼▼▼

お分かりの通り、今回の話、前半部分は、少し定番とは違った展開になっている。

今回の八五郎役は堺駿二(マチャアキの父)。今回、その笑い声が今のマチャアキそっくりという事を発見した。

偽金作りに気付いた為殺された、銭座の鑑定係り、阿部倉之進の一人娘として、山本富士子が登場する。

今回も、事件の背後に大掛かりな権力があるため、与力の笹野(黒川弥太郎)は平次の推理を聞いても容易に動けない。

十手を自ら返上し、単身、大沼の屋敷で開かれている秘密の賭場に乗り込んで行く平次が、敵の罠にはまり、水牢に落とされてしまうサスペンスなども用意されている。

男姿と娘姿を着分けるお嬢(ひばり)の達者な演技と歌声や、小暮実千代の何とも妖艶な美しさなどが魅力。
山茶花究の狡猾な悪役振りも注目したい。