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銭形平次捕物控 からくり屋敷

1953年、大映京都、野村胡堂原作、八尋不二脚本、森一生監督作品。

八五郎(アチャコ)が行司を勤め、子供相撲をやっている最中、紫教の行列が通りかかる。
子供達と共に、八五郎も様子を見に行くと、往来は人だかり。

その中から進み出た足の悪い男が、篭の中の教祖に病気治癒を直訴すると、篭が泊まり、中から手がかざされる。
すると、あ〜ら不思議、松葉杖をついていた男はあっという間に立てるようになったではないか。

八五郎の報告を、自宅の縁側で苦笑いをしながら聞く平次(長谷川一夫)。

さらに八五郎は、川で釣をしている最中、不思議な首飾りと、女の水死体を発見。
さらに、知人の首吊り現場にも遭遇、そこでも、件の首飾りを発見する事になる。
その首飾りは、例の怪し気な新興宗教、紫教の信徒が身につけるものだという。

川で一緒に死体を発見した、三輪の万七の子分、半太郎(内海突破)と、八五郎は、それぞれ、問題の紫教の本拠地に潜入したまま、帰って来なくなる。

紫教の別当、赤井主水(黒川弥太郎)は、三大将軍の弟に当たる大納言の御落胤ながら、不幸な身に落ちていたお琴(三浦光子)を紫琴女という教祖に祭り上げ、天草党の仲間と共に、老中に近づこうと画策していたのだった。

すっかり、身代を紫教に寄進しつくし、身を持ち崩した井筒屋からの要請もあり、紫教の虜になっている井筒屋の二人の娘と、半太郎、八五郎を救い出す為、平次は単身、紫教の本部へ乗り込んで行くのであったが、紫琴女が、昔、平次の幼馴染みであったお琴である事を知ると共に、彼女が長年、平次に対し、強い恋慕の情を持ち続けていた事実を知らされる。

 

▼▼▼▼▼個人的なコメントはここから下です。▼▼▼▼▼

お馴染みのレギュラーキャラクターが総登場する平次ものの基本形ともいう一本か。

恋女房おしず(霧立のぼる)が紫教の一味にさらわれ、その救出に平次が向うクライマックスが胸踊らせる。

タイトルにある「からくり屋敷」とは、紫教の本拠地の事だが、想像する程、からくりの面白さは登場しない。

劇中、丹下キヨ子が、紫教に入れ揚げ、歌っておどける年増女として登場してくる。
彼女は歌手出身だったのだろうか?

最後、ビタ銭を投げつくし、ピンチに陥った平次が、丹下キヨ子が取りこぼした大量の小判を拾って投げるアイデアはちょっと異色で面白い。

安心して観られる娯楽時代劇の定番である。