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銭形平次捕物控 八人の花嫁

1958年、大映京都、野村胡堂原作、伊藤大輔脚本、田坂勝彦監督作品。

▼▼▼▼▼最初にストーリーを書いていますので、ご注意ください!コメントはページ下です。▼▼▼▼▼

寺社奉行の肝煎りで建立される事になった八龍王社の完成祝いのため、町内選りすぐりの小町八人、通称「八乙女」が花嫁姿を披露する事になるのだが、そのうちの一人、おいとが、篭の中で首を刺されて死亡するという怪事件が発生する。

続いて、同じく「八乙女」の一人、木更津屋の娘、おろく(中村玉緒)が、何者かに毒の入った口紅をさされた事が原因で、琴の演奏中、血を吐いてくず折れる。
さらに同じく「八乙女」のおはんが…。

娘達の側には「いろはにほへとち」と書かれた紙がおいてあり、殺された娘達の名前と同じ「い」「ろ」「は」の各々の文字にウロコ(三角)印が赤く打ってあった。

おいと殺害の現場にたまたま出くわした、病床の父親、目明かし利助に変わって十手を預かっている娘のお品(山本富士子)は、神社内で出会ったこれまた「八乙女」の一人、小間物屋のおきん(八千草薫)が矢を射られるという現場に遭遇する。

推理に行き詰まったお品から捜査協力を依頼された平次(長谷川一夫)は、八乙女のほとんどは八龍王社建立に尽力した大店の娘が選ばれているのに、何故、一人だけ、身分違いのおきんが選ばれているのかについて、注意を促すのだった。

さらに平次は、十年程前、他所の大火で家を失った人たちが、新しい住居としていた場所が、現在の八龍王社の建設用地である事を調べ出す。

その住民達は、何者かによって、無理矢理、立ち退きさせられていたのであった。

平次は、その背後に権力の力を感じとる。

その先を追求しようとする平次に、与力の笹野(黒川弥太郎)は、苦汁に満ちた顔つきで十手返上を言い渡すのであった…。

 

▼▼▼▼▼個人的なコメントはここから下です。▼▼▼▼▼

お馴染み、長谷川一夫が演ずる人気シリーズの一本だが、カラーワイド画面で、かなり豪華な作りになっておる。

女優陣の豪華さもさる事ながら、八五郎にはエノケン(榎本健一)、さらにその手下のドモ安、グズ安にはダイマル・ラケットと、東西の人気コメディアンが顔を合わせるサービスまで用意されている。

クライマックスには、大掛かりな屋台崩しのスペクタクルが待っており、平次ものの中では、相当予算をかけた大作といえよう。

軽業師の娘として、楠トシエが登場し、唄や綱渡りの芸(実際に演じているのはスタント)などを披露する、見せ物小屋のシーンなども楽しい。

ストーリーそのものは、アガサ・クリスティの「ABC殺人事件」などにヒントを得ているのではないだろうか。