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銭形平次

1951年、大映京都、野村胡堂原作、冬島泰三脚色、森一生監督作品。

▼▼▼▼▼最初にストーリーを書いていますので、ご注意ください!コメントはページ下です。▼▼▼▼▼

新東宝「銭形平次捕物控 平次八百八町 」(1949)に続き、大映で作られ始めた長谷川一夫主演の平次シリーズの第一弾。

川に突き出た杭に引っ掛かっている千両箱と浪人ものらしき男の死体が見つかる。
それを大勢の野次馬が橋の上から眺めている。

水死体の身元は、相馬千左衛門と判明、その二の腕には賽の目の刺青、さらに袂から見つかった手紙の切れ端には梅の字が書かれていた。
平次は紙の材質から、手紙の差出人は絵描きに違いないと察しをつけ、名前に「梅」の字の付く画家を、八五郎(佐々木小二郎)に命じて探させる。

しかし、ようやく見つかった「梅」の字が付く画家三人の中の一人「梅渓」が向島で殺されているのが発見される。

梅渓の二の腕にも、やはり賽の目の刺青があった。

平次は、八丁堀の資料を調べ、一年半程前、大阪から江戸へ運ばれる途中だった御用金一万五千両が六人の強盗団に強奪された事実を突き止める。
平次は、当時、唯一人捕らえられた一味の二の腕に、その賽の目の刺青があったのを記憶していたである。

平次は、その時盗まれた御用金をめぐる賊達の内輪もめが事件の背景にあると見当をつけるのだった。

その容疑者と思われるのは、梅渓の妻、お喜多(大美輝子)、姪のお栄(三條美紀)、居候をしている浪人、間重太郎や、内弟子の弥之助、さらに碁仲間として集まってきた芝居作者や商人達…。

しかし、弥之助が殺害されるに及び、内々に八五郎に探らせていた賽の目の刺青の持ち主も見つからず、平次の推理は壁に突き当たってしまう。

悩み抜く夫の姿を見るに忍びなくなった妻、お静(長谷川裕見子)は、自らも事件の情報を集め、それを平次に聞かせようとするのだが、平次はそんなお静の出過ぎた態度を厳しく叱りつけるのだった。

やがて、そのお静が何者かによって連れ去られてしまう。

平次は、容疑者達を一同に集めて、謎ときを始めるのだが、一瞬明かりが消えた隙に銃声が響き渡り、明かりが再び灯った時には、血にまみれた平次が倒れて呻いていた…。

平次死す!?

 

▼▼▼▼▼個人的なコメントはここから下です。▼▼▼▼▼

最初、男は皆嫌いと平次を忌み嫌っていたお栄が、子供に優しい平次の姿を見、その人柄に惚れ込んで行く様がいじらしい。
演じる三條美紀は、まだ若々しく、ほっそりとした美女である。

事件そのものは地味でやや単調だが、夫を思うお静、また、そのお静を思いやる平次の夫婦愛の描写が印象的。

いつも、明神下の境内で、無邪気に子供達と戯れる、普段の平次の姿も若々しく微笑ましい。