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ど根性物語 銭の踊り

1964年、大映東京、九里子亭脚本、市川崑監督作品。

▼▼▼▼▼最初にストーリーを書いていますので、ご注意ください!コメントはページ下です。▼▼▼▼▼

ひき逃げをしたトラックを発見したタクシー運転手、町田八百(勝新太郎)は、客を乗せているにも関わらず、そのトラックを猛スピードで追跡、トラックは止める事はできたものの、タクシーを傷つけてしまい、会社では小言を食らうはめに。

正義が通らぬ現実にいらだった八百、馴染みの食堂でやけ酒を飲んで大暴れするのだが、その姿を店内で冷静に観察している二人の男があった。

結局、会社から三日間、謹慎を申し渡された八百、ふてくされて帰る途中で、近づいてきた車から声をかけられたかと思う間もなく、頭を殴られ気を失ってしまう。

気が付いた八百は、見知らぬ部屋で椅子に縛り付けられていた。

部屋にいるのは、見知らぬ三人の男。

内二人は、食堂にいた足の悪い江戸仙蔵(浜村純)と、機械いじりだけが生き甲斐の姫一枝(船越英二)、もう一人は外国人にも見える丸谷五六(ロイ・ジェームス)と名乗る。

彼ら三人は、事態が飲み込めず困惑する八百に、本物の拳銃などを取り出して見せると、アメリカ陸軍の脱走兵でありながら、今や、日本の麻薬組織の元締めをしている陰の大物、クロード・デントンを殺害する仲間になれと言い出す。

最初は疑い、ためらっていた八百だったが、もともと、好奇心旺盛な上に、刺激を求めてやまなかった彼の事、やがて承諾する事になる。

正義のための仕置き人仕事としての手始めとして、八百は、横浜で、遊佐(村上不二夫)という男の乗る車を、事故に見せ掛けて殺害する手伝いをさせられる。

そんな、八百が他の三人と暮すようになったビルに、近くのラーメン屋の出前がやってくる。
以前、馴染みの食堂でも働いていた、八百顔見知りの十條月見(江利チエミ)であった。

やがて、綿密な計画の元、チームワークでデントン殺害を進めていた三人に反抗し、八百は単独でデントンを殺害しようと、ホテルに乗り込んで行く…。

 

▼▼▼▼▼個人的なコメントはここから下です。▼▼▼▼▼

九里子亭名義で、市川監督自ら書いた脚本が異色のサスペンス。

拳銃を胸に、タキシード姿で、外国人溢れるパーティに乗り込む勝新太郎は、さながら、ジェームズ・ボンドそのもの。

曲がった事は大嫌い、根はまっすぐの乱暴者、八百のキャラクターが、まず豪快で面白い。

その型破りのキャラクターが、チームワークを重視する律儀な殺し屋集団を徐々に解体して行く様が描かれて行く。

日本語ペラペラの往年の人気タレント、ロイ・ジャームズや、刑事役で登場するスマイリー小原など、キャスティングにも工夫が見られる。

音楽を担当しているのは、ハナ肇と宮川泰であるのも異色といえば異色。