1959年、東宝、青柳信雄監督作品。
シリーズ初のカラー作品でもある。
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福岡にある、女性下着メーカー碇商事の九州支社長に任命された大森（小林桂樹）、その補佐係として社長、牧田庄太郎（森繁久彌）、雨川営業部長（三木のり平）と共に福岡に乗り込んできた朝比奈（加東大介）らは、支社を訪れてきた地元の服飾デザイナー麻布洋子（越路吹雪）と出会う。
その晩に開かれた地元の宴会で、庄太郎は、会長でもある母親そっくりの老芸者、奴（三好栄子-二役）と出会いびっくり！
同じ頃、大森も又、東京で失恋した朝比奈の娘、てつ子そっくりの芸者、麻理子（団令子）に出会うのだが、酔って彼女に絡んでいた老人を諌めた所、その老人は北九州の商工会議所の元締め、白坪（小川虎之助）だったから、さぁ大変、せっかくこれから北九州方面への展開を目論んでいた営業計画が頓挫してしまう。
翌日、板付空港から帰京しかけていた庄太郎たちは、偶然、バーくまん蜂のマダム（淡路恵子）と出会う。
何でも、くまん蜂の福岡店が出来たのだという。
鼻の下を伸ばした庄太郎は、飛行機嫌いで列車で帰る予定だった雨川と切符を交換し、自分は、くまん蜂の開店パーティに寄って行くと言い出す。
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本作の見せ場は何といっても、上京して、庄太郎を訪ねてきた馬族芸者の生き残り、奴と、売り二つの会長本人がばったり社長室で出会ってしまう所。
このシリーズとしては珍しく合成シーンが登場する。
シリーズのレギュラー的存在ながら、どちらかというと普段は目立たない三好栄子の面目躍如たる作品と言えるかも知れない。
さらに、本作では、越路吹雪が、下着のファッションショーで歌を披露したり、車で出社途中の庄太郎が、道にたむろしていた小学生の手を引きながら「春が来た」を歌ってみせる珍しいシーンもある。
話はこの後、大森と麻理子、朝比奈と洋子、庄太郎とくまん蜂のマダムが各々親しくなって行く様子を中心に展開して行くのだが、お馴染みの宴会芸のシーンを始め、ドタバタ要素が希薄で、全体的に地味な印象が強く、正直な所、コメディとしては前編ほど面白さが弾けていないのが惜しまれる。
冒頭、福岡の様子が映し出されるのだが、舞鶴城址、今はなき平和台球場（全盛期だった頃の西鉄ライオンズの本拠地）、大濠公園などは登場するにも関わらず、天神地区や中洲といったお馴染みの繁華街が登場しないのがちょっと奇異な感じもある。
ひょっとすると、本作の3年前に公開された、同じ福岡が舞台の東宝作品「空の大怪獣ラドン」の町並みと印象を変える為ではないか…などと推測してみたりする。
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