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若大将対青大将

1971年、東宝、田波靖男脚本、岩内克己監督作品。

シリーズ17作であり、一応、加山雄三主演の形でのシリーズは、この回で一旦幕を閉じる。(後に、草刈正雄主演で二本、その後、加山雄三自身の製作、主演で一本続編が作られている)

▼▼▼▼▼最初にストーリーを書いていますので、ご注意ください!コメントはページ下です。▼▼▼▼▼

青大将こと石山新次郎(田中邦衛)の大学卒業式のシーンから始まる。
在籍8年間、再再試験を経た上での単独卒業である。

太田茂夫(大矢茂)の母親が経営するドライブイン「OAK」でパーティが開かれる。
その席で、田沼雄一(加山雄三)が「二代目若大将」の称号を太田に譲る事を発表する。

同時に、青大将の称号も、京南モータークラブのマネージャー(高松しげお)に譲ろうとするが断られる。

その時、店の駐車場側を通りかかった若い女性が、不良達に絡まれているのを発見した太田や青大将が助けに駆け付ける。
女性は圭子(吉沢京子)といった。

後日、父親が経営する石山商事の営業に新入社員として配属された青大将は、同部の先輩に当たる雄一と、彼と親しくしている文書課の塚本節子(酒井和歌子)に出会う。

一目で節子が好きになってしまった青大将は、父親(松村達雄)が、ニューヨーク支店への出張人員を探している事を利用し、雄一を推薦する。

かくして、雄一は3年間のニューヨーク出張が決定してしまう。

 

▼▼▼▼▼個人的なコメントはここから下です。▼▼▼▼▼

このように、本作では、初代若大将、田沼雄一は半分程度しか登場せず、その代役を二代目若大将、太田茂夫が努めている。

タイトルでも、大矢茂の名前が最初に登場し、加山雄三の名前は最後になる。
太田がクライマックスの鈴鹿バイクレースに出場したり、歌を披露するシーンなどもあり、一見、二代目若大将映画のようにも思えるが、初代、加山雄三も、ゲスト扱いというには登場シーンが多いので、どっちつかずの中途半端な印象の作品になっている。

田沼雄一と節子のコンビ、太田茂夫と圭子のコンビの両方に青大将が絡み、各々の恋路を邪魔しようと画策して行く。

そういう意味では、青大将が主役の映画といった方が正しいのかも知れない。

太田の母親役で三條美紀、警官役で江戸家猫八、大学で「男と女の精神的、肉体的経験」の講議をしているのは南利明(辺見まりの「経験」がヒットして行った時期)、青大将の耳の遠い乳母きよ役で千石規子などが登場しているが、お馴染みの雄一の実家である田能久の家族が登場するシーンがないのが寂しい。

父親がお膳立てした青大将の見合い相手として、小林夕岐子(ウルトラセブン「アンドロイドゼロ指令」
の女アンドロイドで有名)が登場している所にも注目。

鈴鹿のバイクレースで、太田チームの顧問としてレースを見つめている加山雄三の姿は、後年のジャッキー・チェンとの共演作「デッド・ヒート」(1995)でのチームリーダーを連想させ、興味深い。


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