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俺の空だぜ!若大将

1970年、東京映画、田波靖男脚本、小谷承靖監督作品。

シリーズ16作。

▼▼▼▼▼最初にストーリーを書いていますので、ご注意ください!コメントはページ下です。▼▼▼▼▼

爽快なスカイダイビングのシーンから始まる。

東海建設に勤めている若大将こと田沼雄一(加山雄三)は、京南大学のスカイダイビングクラブの後輩、太田(大矢茂)からダンスパーティ券購入を頼まれて、専務の青大将こと石山新次郎(田中邦衛)も紹介してやる。

雄一は、会社が推進しているマンション建設に、父親、久太郎(有島一郎)が、建設予定地である梅之湯の主人(伴淳三郎)と同じ町内会同士という事もあって、断固反対するため、一緒に会社に乗り込んできたのに困惑する。

雄一自身は、富士山麓に広大な未来都市を作るプランを立案したのだが、専務の青大将は企画書を読む気もなく棚上げ状態のまま。

梅の湯に立ち退き交渉のため出向いた雄一は、そこの番台に座っていた、主人の姪に当たる節子(酒井和歌子)と出会う。

若大将の懸命の努力も空しく、頑固な梅之湯側の態度に業を煮やした青大将が、強引に工事を初めてしまった事がきっかけとなり、雄一は青大将と決裂、会社を辞めてしまう。

その後、スカイダイビングクラブでアルバイトをする事になった雄一は、そこで出会った富豪の娘、大林英子(応蘭芳)に気に入られる事になる。

その頃、田能久では、父、久太郎(有島一郎)が、りく(飯田蝶子)に隠れて相場に手を出していた。
ドライブイン「OAK」を経営している太田の母親(久慈あさみ)が、そんな田能久を訪ねてきたので、さぁ大変。

彼女を一目で気に入ってしまった久太郎は、彼女の気を引く為に相場の儲け話に彼女を巻き込み、あげくの果てに2000万の損害を負わせてしまう。

 

▼▼▼▼▼個人的なコメントはここから下です。▼▼▼▼▼

前作「ブラボー!若大将」から登場し、この後の「若大将対青大将」で二代目若大将を襲名する事になる太田茂夫こと大矢茂が、他のランチャーズ(加山雄三のバックバンド)の面々と共に出演している。

そのランチャーズのメンバーの一人で、劇中で披露される曲の作曲家でもある喜多島修氏は、内藤洋子の御主人で、喜多島舞の父親としても有名である。

本作での注目点は、何といっても登場する女優陣の異色振り。

専務青大将の秘書役は菱見百合子(「ウルトラセブン」のアンヌ隊員)、金髪へアに胸の谷間部分が大きくカットされた超ミニのドレスで登場。
さながら、「ルパン3世」での峰不二子のようにお色気ムンムンキャラとして、青大将を「坊や」呼ばわりしている。

さらに、大林英子に扮する応蘭芳は「マグマ大使」の妻モルである。
その父親役は、上田吉二郎。

本作のクライマックス、節子と2人で渡った無人島で、マムシに噛まれてしまった青大将を助ける為に、血清をスカイダイビングで届けるアイデアは、後に「帰ってきた若大将」の冒頭部分でも流用されている。

田沼雄一と、いつまでもふがいない太田茂夫が、壮絶な殴り合いをした後仲直りするシーンは、新旧若大将の橋渡しを予感させる部分でもあり、興味深い。

梅之湯の入浴シーンでは、加山雄三と左卜全の全裸が見られる。
さらに、左卜全は「♪やめてけれ、やめてけれ、ズビズバ〜…」と、当時ヒットしていた「老人と子供のポルカ」を歌っているのにも注目したい。