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女奴隷船

1960年、新東宝、舟崎淳「お唐さん」原作、田辺虎男脚本、小野田嘉幹監督作品。

▼▼▼▼▼最初にストーリーを書いていますので、ご注意ください!コメントはページ下です。▼▼▼▼▼

敗戦の気運濃厚になってきた昭和20年、大本営では敵軍のレーダー網により、物資輸送の手立てを失いかけていた。

そんな状況下、マレー方面指令本部に須川中尉(菅原文太)が呼出される。
裏側に暗号文を二重焼きにした一枚の写真を託され、それを日本まで送り届けて欲しいというのだ。

さっそく軍用機に乗って日本に向うが、途中、敵機グラマンの奇襲を受け、機体はあえなく海に墜落、目が覚めた須川は、見知らぬ船の調理室に寝かされている自分に気付く。

その船は日本から中国へ売られて行く「お唐さん」と呼ばれる若い女性10人を乗せた輸送船だった。
しかし、その中に一人、野戦看護婦にさせると騙されて乗り込まされていた汚れを知らない少女、瑠美子(三ツ矢歌子)がいた。
彼女は、船のクイーンと呼ばれている女(三原葉子)になぶり物にされかけていたが、そこを須川によって助けられる。
瑠美子共々、クイーンの方も又、そんな須川に何時しか心を奪われて行くのだった。

そんな中、輸送船は龍の旗をかかげた海賊船に襲われ、防戦空しく、船は火を放たれ海の藻くずと化してしまう。

海賊船の首領(丹波哲郎)が奪ったのは、クイーンを含めたお唐さんたち女性全員と須川だけであった。

やがて、海賊たちの根城である島に到着した一行を待ち受けていたのは、何故か須川を引き渡せと迫るアメリカのスパイ陳一味と、女たちを買いに集まっていた中国人らであった。

女性らと共に何とか島を脱出しようとあせる須川だったが、クイーン一人は、女の武器を利用し、海賊一味に取り入ろうとする…。

 

▼▼▼▼▼個人的なコメントはここから下です。▼▼▼▼▼

ドキュメンタリー風の実写フイルムから、ミニチュアを使用した特撮なども組み合わせ、チープな印象ながら、島に着くまでは、なかなか快調なテンポの海洋冒険ドラマになっている。

島に着いてからは、クイーンと他の女性たちとのけんか騒ぎなど、新東宝御得意のお色気表現も取り混ぜながら、後半は集団脱出劇へと趣を変えて行く。

クライマックスでは、西部劇まがいの女性陣対海賊集団との壮絶な銃撃戦が用意されており、新東宝らしからぬ見ごたえ感に驚かされる事になる。

何やら的場浩二似の若き菅原文太(宇津井健らと共に、新東宝ハンサムタワーズと呼ばれていた)と、豪快な高笑いをはじめ、後年と変わらぬどこか尊大な演技を見せる丹波哲郎の対決が見物である。

中国の領域内のはずなのに、何故かアラビアンナイト風のベリーダンスを踊ってみせる、三原葉子の珍妙なお色気サービスなども楽しい。

大袈裟なタイトルの割に、しょぼい内容の作品が多い新東宝作品群の中では、それなりに楽しめる娯楽大作になっている。

一見の価値あり。