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南太平洋の若大将

1967年、東宝、田波靖男脚本、古沢憲吾監督作品。

東宝創立35周年記念作品の一本という事もあり、ハワイ、タヒチなど海外ロケシーンも豊富で、全体的に豪華な印象の作品になっている。

▼▼▼▼▼最初にストーリーを書いていますので、ご注意ください!コメントはページ下です。▼▼▼▼▼

日本水産大学の柔道部キャプテン若大将こと田沼雄一(加山雄三)、同マネージャー江口(江原達怡)、レスリング部の青大将こと石山新二郎(田中邦衛)らは、実習船でハワイに逗留中、日本料理屋「京屋」で、しつこい日本人客に絡まれているパンナムのスチュワーデス、仁科澄子(星由里子)を救う。

日本に帰ってきた若大将は、青大将のレスリング部主催ダンスパーティに出かけ、再会した澄ちゃんの前で歌を披露すると共に、ちゃっかり人気下降気味の柔道部の勧誘もしてしまう。

やがて、京屋の経営者、有田ゆき子(坪内美詠子)から雄一宛に手紙が届き、父親(左卜全)、娘美奈子(前田美波里)と一緒に先祖の墓参りのため来日するとの連絡がある。

来日した3人に、田能久自慢のすき焼きをごちそうした翌日、雄一は3人を連れて東京見物に出かけるが、途中で別行動になったゆき子と父親は、各々、久太郎(有島一郎)、りき(飯田蝶子)のデート相手として東京タワーで鉢合わせしてしまう。

やがて、ハワイに帰ったゆき子から、京屋で田能久のすき焼きを出したいので、料理の指導者を一人寄越して欲しいと依頼が来、夏休みを利用して、雄一が出かける事になる。

後の展開は大体いつものパターン通り、澄ちゃんにぞっこんの青大将は、彼女をしつこく追い回す。
それを迷惑がりながらも、澄ちゃんは雄一に近づく女性の事が気になり、一人で嫉妬に身を焦がす事になる。

 

▼▼▼▼▼個人的なコメントはここから下です。▼▼▼▼▼

今回、澄ちゃんが焼きもちを焼く相手は前田美波里(真木蔵人の母親)。
モデル出身で、真っ黒に日焼けした彼女の日本人離れした肢体はまぶしいほどである。
劇中で歌まで歌い、さながら彼女のプロモーション目的も兼ねているよう。

大掛かりな空撮、水中撮影などを駆使し、南の島々の美しい景観をたっぷりと堪能させてくれるサービスも嬉しい。

クライマックスの柔道試合は、本物の武道館で、大勢のエキストラを入れて撮影されている。
ここも見ごたえがある。

ライバル校、東亜大学のヘイスティングと雄一の決勝戦は、東京オリンピックでの優勝者ヘーシング戦を意識したものである。

この頃のシリーズは人気絶頂期だったという事もあり、青大将役の田中邦衛も、レスリング部でしごかれたり、生ワサビ丸ごと挟んだサンドイッチを食べたりと、身体をはったお笑いネタが多く、その努力が涙ぐましい。

全体的に、大作特有のやや散漫な感じがあるのは否めないが、劇中で披露される歌も多く、海が良く似合う加山雄三の魅力をいかんなく満喫できる一本にはなっている。