1971年、渡辺プロ、前田陽一監督作品。
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城南大学応援団団長の鍋山修(なべおさみ)は、校内で新入生を勧誘しようとするが、長髪の新入生逆田正章(堺正章)が髪を切られるのを嫌がり、近くで同じように勧誘していたハッスルズという軟弱なバンドに参加してしまったので頭に来る。
箱根のホテルにボーイとしてアルバイトにやって来た応援団一行は、同じくアルバイトバンドとしてやって来たハッスルズとかち合ってしまう。
応援団としての練習中、近くで合宿中の女子大空手部のメンバーらと遭遇した鍋山、相手のキャプテン半田さゆり(笵文雀)に絡んだ事がきっかけとなり、逆にコテンパンにのされてしまう。
そんな中、五十嵐(平田昭彦)と名乗る身分卑しからぬ風体の人物が、美しい女性ひとみ(紀比呂子)らを伴いホテルにやってくる。
彼ら一行は、大勢の客に食事をふるまったり、一種異様な様子。
ひとみは、ステージ上で歌っていた逆田に勝手に惹かれて近づく始末。
しかし、突然、五十嵐が城南大の校歌を歌い出した事で、近くにいた鍋山は彼が大学の先輩だと気付き、急速に彼を尊敬するようになる。
怪んだ支配人(藤村有弘)から調査を依頼された地元の長田巡査(いかりや長介)も、五十嵐が話す「箱根独立国」構想に飲まれてしまい、彼を偉大な実力者だと思い込んでしまうのだった。
しかし、そんな五十嵐一行は、ホテル各所に爆弾を仕掛け、客を人質にして突然立てこもる。
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物語の大半は協賛しているホテルの内部でほとんど撮られている。
話の展開もすぐに読める程度のもので、コメディとしても、さほどインパクトがあるとはいえない。
布施明やゴールデンハーフといった当時のナベプロの人気者達がチラリ登場する所や、笵文雀、紀比呂子といった当時テレビで人気者になった懐かしい顔に出会える辺りが見所といった所か。
主人公であるマチャアキとなべおさみが、どちらかも主人公というには印象が弱く、今一つ「笑い」に繋がっていないのが惜しまれる。
笑いの核になる人物がいないのだ。
全体的に、社会風刺なのかナンセンスなのか、中途半端な感じがする所も気にかかる。
それでも、いかりや長介と平田昭彦の怪演振りには注目したい。
ホテルジャックを知らされた入浴中の長田巡査が、ふんどしにガンベルトと制帽を冠っただけの間抜けな姿で事件現場にやって来たり、一人での突入に失敗した後、調理場にあった出刃包丁で切腹して責任を取ろうとする辺りの演技には笑わされる。
真面目に怪人物を演じている平田昭彦の存在感自体が、本作の核といえるのかも知れない。
