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帰ってきた若大将

1981年、東宝+加山プロモーション、田波靖男脚本、小谷承靖監督作品。

一旦は、若大将シリーズから身を引いていた加山雄三が、オールナイトによるリバイバル上映などで再び再燃した若大将ブームをきっかけに、再び自らが総指揮を勤め、若大将として復帰した作品。

▼▼▼▼▼最初にストーリーを書いていますので、ご注意ください!コメントはページ下です。▼▼▼▼▼

ヘリコプターから、南海の美しい風景をカメラに納めていた日本の男女テレビクルーは、突然そのフレーム内に入ってきた一機のセスナに迷惑顔。

その時、身を乗り出し演出に夢中になっていた女性プロデューサー皆川純子(坂口良子)が、パラシュートも身に付けないまま突然ヘリから墜落してしまう。
慌てふためくカメラマン倉田。

その時、件のセスナ機から飛び下りた一人の人影。
空中で見事に女性ディレクターを抱きかかえ、自らのパラシュートで無事地上に降り立った彼こそ、われらが若大将こと、田沼雄一(加山雄三)であった。

現在彼は、アメリカの統治から独立したサザンクロス島の自治政府顧問として当地に滞在中、急病人発生の知らせを受け、セスナで薬を運んでいる途中だったのである。

純子はその後、大統領主催のパーティ会場で、美しい娘フローラ(アグネス・ラム)と親し気な雄一と再会する。

日本に帰ってきた純子は、サザンクロス島での撮影をまとめた「世界のぞき歩き」のフイルムに、スポンサーから「お色気不足」とのクレームがあった事を聞かされ憤慨する。

そのテレビ番組のスポンサーこそ、三丸商事の社長、青大将こと石山新二郎(田中邦衛)であった。
見合い話に乗り気でないばかりか、エネルギー部から引き抜いてきた美人社員うらら(萬田久子)を勝手に個人秘書に抜擢し、デレデレしている息子の姿を見兼ねた父親新吉(田崎潤)は、新しい社長秘書としてともえ(樹木希林)を起用するのだったが、青大将は、うっかり中身を間違えて、相手を誹謗する内容を書いた郵便物をアメリカメジャーの取引相手に郵送するミスを犯してしまった事に気付く…。

 

▼▼▼▼▼個人的なコメントはここから下です。▼▼▼▼▼

お馴染みの田能久も登場するが、すでに祖母のりき(飯田蝶子)は他界しており、その七回忌が行われている…という設定になっているのが寂しい。

りきの代役的役割として、ハワイからやってきた元店員マリ(賀原夏子)が登場するが、若大将の父親、久太郎役の有島一郎はじめ、レギュラー陣の老け様は明らかで、彼らの見せ場は少なく、物足りなさは否めない。

その分、純子と出合い、いつものごとく一目惚れした青大将が、彼女を前に「君といつまでも」を熱唱するシーンに代表されるように、本作ではアメリカに渡った青大将が一人熱演しているような印象の作品になっている。

オードリー・へップバーンやハンフリー・ボガードの全然似ていないそっくりさんなどが登場するサービスもあるが、やはり、若大将シリーズ独特のはつらつとした魅力は再現されるべくもなく、全体的に「同窓会的作品」以上のものにはなっていないのが現実である。

なべおさみや藤木悠なども顔を見せている。