1986年、ジョン・カーペンター作品。
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エッグ・シェン(ビクター・ウォン)なる面妖な人物が、東洋に伝わる「妖術」の存在を話している所から始まる。
つまり、この作品は「そういう妖術や魔法が出てくるファンタジーですよ」と解説している訳だ。
トラック野郎ジャック・バートン(カート・ラッセル)は、中国人青年ワン・チー(デニス・ダン)と中国からやってきた婚約者ミャオ・イン(スージー・パイ)をチャイナ・タウンに送り届ける途中、大掛かりな中国人同士のけんかに巻き込まれてしまい、突如出現したロー・パン(ジェームズ・ホン)なるこの世のものとも思えない謎の人物に自らのトラック共々ミヤオ・インを奪われてしまう。
やがて美貌の新聞記者グレーシー・ロー(キム・キャトラル)やマーゴも加わり、ジャックとバートンらは、ミャオ・イン救出のため、チャイナ・タウンの陰の実力者らしき謎の人物デビッド・ローパンの会社に乗り込んで行く事になる。
そこは、信じられないような妖力を持つ人物達が住む魔界であった。
緑の目を持つ女性と結婚する事により、呪を解き放ち肉体を取り戻そうと、2千年も魂だけで生き長らえている老人。
「嵐の三人組」と呼ばれる、妖術とクンフーを使う深編傘姿の用心棒達。(このイメージの原点は、アメリカでもヒットした日本映画「子連れ狼・三途の川の乳母車」にあると思われる)
「死の貴族」と呼ばれている中国人不良グループ。
次々に登場する東洋風の妖怪やモンスターたち…。
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アメリカ人が遭遇する「東洋版不思議の国のアリス」とも「チャイナタウン版里見八犬伝」ともとれるが、はっきりいって、「東洋風の素材をごちゃ混ぜにした、勘違いハチャメチャアメリカンコミック映画」である。
主役ジャックが、クライマックスの決闘開始の瞬間、景気付けにと自ら天上に向けてマシンガンを発射したのが仇となり、崩れた天上の破片が自分の頭に落ち、乱闘がはじまったのに気絶してしまったり、催眠術から醒めた厚化粧のグレーシーとキスした後、ローパンらに立ち向かうと、そのジャックの唇にはべったり赤い口紅の痕が付いたままだったりと、ヒーローらしからぬギャグもあちこちに盛り込まれている。
いかにもバカバカしいB級娯楽アクションだが、客を楽しませる為には何でもありの精神とパワー、リチャード・エドランドの手によるSFXも快調で、理屈抜きに楽しめる作品になっている。
敵が倒された瞬間、整然と並んでいた金の彫像群が、ドミノ倒しのように次々と壊れて行くアイデアなどは、近年の冒険映画などにも影響を与えているような…。
最近、この続編が検討されているとの噂もあるようだが、はたして…?
