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ウルトラQ・ザ・ムービー

金子修介監督も映画化を企画していた往年のテレビ人気特撮番組を、実相寺昭雄監督で実現した1990年度セガ・エンタープライゼス&円谷映像&東北新社&松竹作品。
CGタイトルが、テレビでお馴染みの渦巻き状に変型する所や、石坂浩二がナレーション(今年の「ウルトラマンコスモス2」も)を担当している所などが旧作を連想させますが、内容はほとんど別物…といって良いでしょう。
栃木や山梨の古墳で、海水に濡れた不可思議な死体が次々に発見されます。
TTVテレビ局の報道員、万城目淳(柴俊夫)、戸川一平(風見しんご)、それに新人スタッフ、江戸川由利子(荻野目慶子)らは、「古代史スペシャル」の製作を進行する途中、消息不明になった仲間の浜野哲史(堀内正美)も、これらの事件と関連性があるのでは?…と疑うようになり、日本各地に残る「浦島伝説」や「天女伝説」を調査していきます。
やがて、彼らの前に、縄文時代の遮光器土偶を思わせる怪ロボットや、星野真弓と名乗る不思議な美女(高樹澪)が立ちふさがるのでした…。
ナギラなど、怪獣の登場もありますが、基本的には低予算の「古代史ミステリー」風ストーリー展開で、全編ほとんどセリフだけで進行していく感じです。
勾玉や仏教彫刻風のデザインの導入など、池谷仙克&コダイの美術にちょっと見るべき部分もありますが、ドラマとしては退屈というしかなく、「ウルトラQ」らしい「衝撃感」や「ワクワク感」のかけらも感じられません。
柴俊夫や報道部長役の寺田農、又、一の谷博士役(研究所の壁には本家の写真が!)の中山仁らベテランの起用が、作品全体に大人っぽさ…というよりも、逆に「夢も希望もないおっさん臭さ」をかもし出す結果となっており、「子供らを夢中にさせた、かつての画像の魅力」が、どこかに消し飛んでしまっているように思えます。
テレビ版で大活躍していた「ゆりちゃん」が、本編ではほとんど「脇役」以上の活躍をしない…というのも、物足りなさを感じる大きな要因かも知れません。
小林昭二、黒部進、毒蝮三太夫、マ−ちゃん、円谷浩さんらゲスト出演陣と、絵コンテを樋口真嗣氏が担当していた事が、マニア的には注目すべき点でしょうか。