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殺しの烙印

1967年度日活作品。
観る前は「観念的で難解」なイメージがあったが、実際に観てみると、完成度の高い、抜群にかっこいいフイルムノワール…というしかない。
プロの殺し屋の中でも、腕の良さから「No.3」と呼ばれている男が、ある女から依頼された仕事にミスった事を転機にして、組織から命を狙われる立場になる。
光と影をうまく配した、洗練された画面作り。
ストーリー面でも演出面でも、独創的なアイデアの連続。
個性的な殺し屋たち。
謎めいた女たち…。
死とエロスとユーモアが奇妙に入り交じった独特の世界でありながら、決して難解ではない。
この作品が出来た当時は、誰にも理解されず、日活からも解雇される原因となった…とされる事情が、今となっては不思議に思えるくらいである。
「STYLE TO KILL」の異名で、後に海外でも熱狂的なファンを生み出したのも十分頷ける出来ばえと思える。
とにかく、主役宍戸錠、女房役、小川万里子、謎の女、真理アンヌ…、存在感のあるキャラクターたちが各々光っており、最後まで画面から目が離せない。
この作品を知らない事が不幸に思える程、正に傑作邦画の一本といえるのではないだろうか。