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劇場版仮面ライダーアギト
PROJECT G4

従来の「仮面ライダー」路線とはひと味違う、テレビ新シリーズの劇場版。
多様な変型パターンを持つアギト、警察がアンノウン(怪人)対策用に開発した、プロテクター装着タイプのG3、そしてモンスター風のギルスのレギュラー陣に加え、G3をさらに発展させた禁断のプロテクター「G4」が実現され、物語にからむ。
冒頭から、多量のアンノウンが登場し、まずは劇場版らしい迫力が感じられる。(テレビ版では、毎回一人づつしか登場しないのだが…)
襲撃された超能力開発研究所から、からくも逃げ出した男女の子供2名が、物語の中核になっていくのだが、この辺の着想は、近年の国産特撮作品に使い尽くされているものであり、新鮮さはあまり感じられない。
新兵器をめぐる、強行派と穏健派の対立のドラマなど、アニメなどで見慣れた設定だし、特殊能力を持つ子供に、地道に努力をして社会とふれ合う事の大切さを教える…というようなメッセージにしても、今一つ説得力に欠け、全体的にドラマとしての魅力は乏しいように思える。
この作品の見所は、ひとえに、新登場のG4や、テレビ版では印象が薄い、ギルスの活躍に尽きるだろう。
後半のアクションシーンは、それなりに見ごたえがある出来になっている。
ただ難をいえば、やや大人にターゲットを向けて作られているように感じられるわりには、予算の関係なのか、全体的に絵的なスケール感に乏しく、それが、ドラマの弱さとも相俟って、作品自体の印象を弱くしている点であろう。
東映創立50周年を記念して製作されたにしては、もう一つ、劇場版らしい見ごたえ感を出して欲しかった気がする。
DVDやビデオ層を、最初から意識して作られているのかも知れないが、映画としては、やや、中途半端な感じが残る作品というしかない。
アギトマニアには、嬉しい収穫かも知れないが…。