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悪魔が来りて笛を吹く

1979年、東映作品。
角川が仕掛けた「金田一もの」の一本で、西田敏行が金田一耕助を演じる。
原作は、密室のトリックを中心とした作品で、それなりに面白いのだが、いかんせん、この映画版では、セット撮影中心のやたら暗い画面作りとメリハリのない演出で、同時期に作られていた、東宝の石坂浩二版や、松竹の渥美清版などと比較しても、最も印象に残らない凡作に終わっている。
おそらく、相当な低予算で作られたのではないか…と推測されるが、西田敏行の押さえたキャラクター作りも、こうした陰気なドラマ作りの中では、生彩を欠いていた…というしかない。
はっきりいって、この時期の渥美清や西田敏行の起用は、確かに話題性や意外性はあったが、先行していた、テレビシリーズでの古谷一行や、東宝シリーズでの石坂浩二のイメージが定着していた事もあり、違和感の方が大きかった…といわざるを得ない。
高倉健が金田一を演じた「悪魔の手鞠唄」(1961)等と同様に、今となっては、金田一映画の中での「珍品」と呼ぶべき作品かも知れない。