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網走番外地 大雪原の対決
1966年度公開作品で、その年No.1の配収を上げたらしい。
冒頭、木材運びをさせられている受刑者たちと護衛官の間に起こった、ちょっとした諍いがきっかけとなり、その後、事故を装った脱走騒ぎが発生する。
その騒ぎのぬれぎぬを着せられ獄死した仲間の怨みを、健さんが出獄後晴らす…というのが、全体を貫くテーマとなっているのだが、別荘(網走刑務所)内でのエピソードは密度があり、共演者たちの芸達者振りも相俟って見ごたえがあるのだが、健さんがシャバに出て、油田をめぐるやくざの権利争いに巻き込まれる本編自体は、今観ると、無国籍ウエスタンそのまま…という趣向が、やや大味に感じられないでもない。
そうはいっても、典型的な悪役(上田吉次郎や内田良平ら)や助っ人(アラカンら)の絶妙の配置。
はたまた、若き大原麗子や田中邦衛らが、当時は結構流暢に喋っていた事など、楽しめる要素は多い。
健さんが毛布をポンチョのようにはおり、馬上でライフルを持つ姿など、どう観ても「西部劇」そのもので、一面真っ白な、北海道の広大な雪原風景とのミスマッチ感も新鮮で面白く感じる。
まだまだ、邦画に力があった頃の、典型的プログラムピクチャー作品で、スタッフもキャストも充実して作品作りをしている雰囲気が、今でもしっかり伝わってくる。
若く生き生きとしていた頃の、高倉健を見るだけでも、十分、価値のある作品と言えよう。
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