別の映画目当てで出かけて、その併映だったのがこの作品。
退屈な映画でなければいいけどな〜…というくらいの気持ちで、何の予備知識もなく見始めたら、意外や意外!
お目当ての作品の方が低調で、逆にこちらの方が圧倒的に面白かったので結果的に得したような妙な気分だった。
ずば抜けたドライブテクニックを持つ「運び屋」が主人公という設定や、謎めいた美女との出会い、執念深そうな刑事などの設定から、ウォーター・ヒル監督、ライアン・オニール主演の渋いアクション映画「ザ・ドライバー」(1978)を思い出しながら観ていたが、何と後半は、元特殊工作隊員ヒーローものとか007映画みたいな荒唐無稽アクションノリの展開になったので驚かされた。
カーアクション、デジタルで誇張された派手な銃撃戦、カンフーアクションなどなど、これでもか!といわんばかりに盛り沢山の要素を詰め込んで最後まで突っ走る。
女の子が何故、ああいう状況に陥ったのか…とか、理屈で考えてしまうとおかしな所だらけなのだが、その辺はさらりとアクションで忘れさせてしまう作りになっている。
70年代のハリウッド映画は、フイルム・ノワール風の渋い画調を取り入れたりしていたが、今や、フランス映画の方がハリウッド風のド派手アクションを取り入れないと受けない時代になったのだな〜…と、しみじみ時代の変化を感じさせられた。
国籍無用というか、ジャンル無用というか、もはや、フランス映画とか、ハリウッド映画とか、そういう区分けで映画を楽しむ時代ではなくなった…という事だろう。
とにかく理屈は無用!頭を空っぽにして楽しむ、男の子向け娯楽アクション映画の痛快作である。
