1992年、円谷プロ、長坂秀佳原作&脚本、松林宗恵監督作品。
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雨中のゲートボールの試合から物語は始まる。
時が流れ、伝統を誇る国友酒造の社長、大八郎(三國連太郎)は、農作業の途中、息子の善太郎(秋野大作)が首吊り自殺に失敗したという知らせを聞かされる。
会社の経営を任せていた善太郎の自殺未遂から、大八郎は、会社が経営難に陥っていた事をはじめて知る。
会社再建のため、資金調達に走り回るが、どこからも援助は受けられず、一旦は廃業を決心した大八郎ではあったが、酒造りへの未練はたちがたく、窮余の一策として、以前、自社の商品を新聞紙上で誉めてくれた事がある、食通の一ノ谷天雲(丹波哲郎)に資金提供を頼みに行く。
最初は、鼻にも引っ掛けようとしなかった天雲であったが、どうした訳か、途中から、条件付きで資金提供に応じても良いといいだす。
話を聞いてみると、大八郎がゲートボールの監督になり、「黒の軍団」という常勝チームに勝って、日本一になれたら10億無利子で貸すというのであった。
あまりにも思い掛けない提案に戸惑いながらも、前金6億と、天雲指定のメンバー表を渡された大八郎は、にわか監督になるべく、メンバー一人一人に交渉へ出かける。
しかし、訪ねた相手の大半は頑固な老職人たちばかりで、どの家も後継ぎ問題で悩んでいる様子。
ゲートボールチームに参加してくれなどという、大八郎の依頼に耳を貸す人間は、茅葺き職人、草壁甚平(長門勇)以外には一人もいなかった。
落胆して帰宅した大八郎であったが、しばらくして、彼の元へメンバー全員が集結してくる。
どうやら、善太郎の嫁の景子(大原麗子)が、影で画策しての結果らしかった。
とにもかくにも、メンバーは揃い、早速、その日から、厳しい集団トレーニングの日々が始まる…。
典型的な「スポ根もの」の展開だが、老人たちが主役という所が見どころ。
当時流行っていたゲートボールという素材を取り入れたのも異色である。
とにかく、メンバーの顔ぶれが凄い!
江戸指物の名人、神尾与吉にハナ肇。
凧職人の佐倉晴海に大滝秀治。
鍛冶職人の堀田武一に佐藤允。
釣り竿名人の池谷伝次に宍戸錠。
結城紡ぎの名手の白井暁子に司葉子。
かの名優たちが全員、ゲートボールをするのである!
彼らが対決する黒の軍団「ブラックパンサーズ」の主将は、有名なファッションデザイナーでもある黒河時久(財津一郎)!
有明コロシアムで開催される「第8回、ゲートボール全日本グランプリ」がクライマックスとなる。
尼僧姿のロザリオシスターズ、ビジュアルロック系のショックス、小学生チームのクールエンジェルスなど、異色のチームと戦う事になる老人ばかりの「ホワイトライオンズ」。
彼らの運命は…。
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どことなく漫画チックな脚本を、「社長シリーズ」などで一世を風靡した松林監督が、全体的に明るく軽妙に進行している。
円谷プロ作品であるだけに、ゲートボールのシーンには特撮も登場!
老職人たちの息子役として円谷浩、伴直弥、さらに黒部進、一ノ谷天雲の執事役として天本英世も出演している。
当時のプロダクション代表であった円谷皐氏自らが、エンディング曲を歌っている所にも注目したい。
