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RED SHADOW 赤影

昔、一世を風靡したテレビ人気シリーズとは全く別物である。
この点をきちんと把握していないと、この作品の評価を読み違えるおそれがあるだろう。
ではこの作品は何であるかと言えば、「赤影」の名前を借用した「青春コミック」なのだと思う。
この形式の利点は、まず、大抵の突飛な要素を作品中に取り入れても、映画として何となくまとまってしまう…という所であろう。
恋あり、おちゃらけあり、マジあり、アクションあり、幻想あり…何でもO.K.という万能パターンである。
ラストで、逆光や水面キラキラの画像を挿入しさえすれば、「しみじみ〜」とした情感が加わり、何となく「青春って、混沌としていたもんな〜」…と納得させられるのである。
こうした手法をベースに、中野監督は、思いっきり「時代劇ごっこ」を楽しんでいるのだと思う。
そこには、時代劇としてのリアリティとか、ストーリー構成といった「映画的文法」を最初から捨てているかとも思えるほどである。
よって、その感性にノレる観客は楽しめるし、ノレない者はしらける事になるのだ。
はっきりいって、観客限定の作品なのだと思える。
ビートの効いた音楽と、奇抜なファッション、滑稽なストーリー展開を、ただ身を任せるように眺めていれば、それなりにホンワカした時間が過ぎ去っていく…というタイプの作品なのではないだろうか。