1958年、東宝、この作品から「社長シリーズ」を担当する事になる松林宗恵監督作品。
助監督は岡本喜八。
▼▼▼▼▼最初にストーリーを書いていますので、ご注意ください！コメントはページ下です。▼▼▼▼▼
福富電機工業は創立10周年を迎え、先代社長の妻で現会長（三好栄子）、末娘トメ子（雪村いづみ）を芦屋から招き、盛大な記念パーティを開いていた。
トメ子は参加者たちの8mm撮影に夢中、パーティのラストを飾り、彼女の持参した先代社長の映った8mmを上映してみんなで観る事になる。（ここで、1952年の映画、河村黎吉主演「三等重役」が映される。若い森繁、小林桂樹も登場）
スクリーンに映る先代社長の姿に涙する営業部長大場（加東大介）、その隣でそれを冷ややかに見る経理部長池田（三木のり平）。
先代、ニ代目に仕えた秘書としての苦労話を仲間たちにしていた長谷川（小林桂樹）、エトワールのマダム（中田康子）から浅川社長（森繁久彌）宛てに電話を受ける。
パーティ後、さっそくエトワールに向う浅川。
しかし、そこでホステスたちといちゃついている間もなく、会長をホテルに送った長谷川が浅川を捜しに来る。会長がお呼びだとの事。
マダムの誘いを振り切り、渋々、店を出ようとする浅川に今度は新橋の芸者から誘いの電話がある。
梅千代（扇千景現国土交通省大臣）と半玉のうさぎ（笹るみ子）からであった。
次の日曜日、社長からの呼び出しブザーや電話のベルの音に反応するノイローゼになりかかっていた長谷川は、自宅で母親（英百合子）に甘えっぱなし。
同居している後輩社員の松村（太刀川洋一）もこきつかう始末。
しかし、その松村は、近所に住む大場の一人娘春江（団令子）とひそかに付き合っていた。
今日は、大場の手伝いで慣れない畑仕事に出かける。
しかし、春江の二人の弟たちが持ってきた「肥」を足にひっくり返されズボンは台なし。
同じ日曜日、妻厚子（久慈あさみ）と買い物の約束をしていた浅川の自宅に、長谷川が、今日行われる予定のゴルフ大会の連絡をしわすれていたと詫びに来る。（もちろん、これは社長との打ち合わせ通りの行動）
厚子の買い物には長谷川が付いて行く事になる。
しかし、ちゃっかり妻と別れ、銀座で梅千代とうさぎに大量のプレゼントを買ってやっていた浅川は、偶然にも同じく大量の買い物をしていた厚子と長谷川に遭遇。
浅川、その場は何とかごまかして、結局、持っていたプレゼントは全て厚子のものになってしまう。
浅川はアメリカのRTA社と契約を結ぶため渡米する事に。
会長から指令で、その間の社長代理に実直な大場を指名。
浅川の歓送会が開かれ、池田のしつこい唄を押さえて、浅川は大場に芸を強要する。
大場は、黒田節を披露する。
いよいよ社長代理となった大場。
生真面目な彼は、秘書任せにせず、何でも率先して自分でやるようにする。
予定の結婚パーティへ一人へ出かける事になり、英語で書かれたトイレの「男女」を区別するにはどうすれば良いのかと長谷川に尋ねる。
男用は「Gentleman」女用は「Ladies」だから、単語が長い方に入れば良いと教える長谷川。
しかし、ホテルのトイレには「Man」「Woman」の文字が…。
やがて、巷では流感が流行りだし、会社でも風邪で休む社員が目立つようになる。
朝からくしゃみをしていた大場だったが、妻（杉葉子）の心配も他所に、風邪なんかひく人間は精神が弛んでいる証拠だとばかりに、無理して水風呂につかり気合いを入れて出社する。
しかし、社員への檄を飛ばす放送中、大場自身が風邪でダウン。
大場が自宅で寝込んでいる最中、浅川社長がRTA社の社長ブラウン夫妻を伴って帰国。
さっそく、池田は接待の宴会を開く。
ブラウンの通訳を勤めるのは、トニー谷。
自らも率先して「インディアン踊り」を披露するザンス。
悪乗りした浅川と池田も、いつも通り、とんでもない「炭坑節ダンス」をブラウン夫妻に披露したため、亭主の方は喜んだが、御夫人の方はその下品さにゲンナリ。
その様子を、またまた同席したトメ子が8mmに撮影、芦屋で会長と奥村（有島一郎）に見せたから、さぁ大変。
おかんむりの会長は浅川を懲らしめるため、厚子同伴でアメリカ支社に左遷してしまう。
結局、大場がそのまま三代目社長として継続するはめに…。
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定番シリーズの面白さが詰まっている。
当時の東宝撮影所の近所で撮ったという、大場の自宅周辺の広大な田園風景など、今はなくなった古き良き時代を伺い知る貴重な資料映像としても楽しめる。
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