主役の少女キャロルアン(ヘザー・オルーク)は、父親スティーブの妹パトリシア(ナンシー・アレン)の住む都会に預けられているという設定で、前二作とはさらにかけ離れたイメージの作品になっている。
今回の物語の大半は、パトリシアと彼女の夫ブルース、そしてブルースの連れ子ドナの住む鏡張りを多用した近代的な超高層ビルが舞台である。
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キャロルアンはその町の学校に通っているのだが、心理学者のシートン博士は、彼女の事を集団催眠の能力を持つ子供だと分析していた。
キャロルアンは鏡の中に、二作目で死んだはずの親父ケインの姿を見る。
時を同じくして、ビル内では、鏡がひび割れたり、ビル内の温度が急激に低下する異常が起こりはじめる。
さらに、その新たな展開を遠隔地から気付いた超能力者タンジーナは、キャロルアンを守るためにはるばる飛行機に乗ってその町に到着するのだったが、時すでに遅く、キャロルアンはケインの魔力によって、鏡の世界に引き込まれていた。
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大ヒットした最初の「ポルターガイスト」と共通しているのは、キャロルアンとタンジーナ、後は、キャロルアンが異次元に連れ込まれてしまう…という要素だけである。
後は、極端に低予算になったらしく、売り物だったSFXも控えめになり、鏡を使ったイリュージョンと、冷気を感じさせるドライアイスのスモークなど、古典的な演出を多用しているのが特長といえよう。
前二作に共通していた「家族愛」というテーマも、申し訳程度には継承しているように見えるが、基本的に親戚での話。
パトリシアは、途中まで超常現象をもたらす姪っ子のキャロルアンを毛嫌いしている態度もはっきり見せているので、ラストの締めくくり方は、観ていてかなり苦しいというしかない。
軽薄な若者であるドナとその仲間たちが怪奇現象に巻き込まれる…という展開もありきたりで、新鮮味は皆無といって良い。
さらにケイン親父役の俳優も前作と違っているので、画面にはっきり登場させる事ができない…などといった制約もあって、作り手側は苦労したのだろうが、根本的に本作の企画そのものが「蛇足」というしかない。
ヘザー・オルークとナンシー・アレンが、この作品では、妙に肥満気味で顎の辺りがだぶついているのが気になったりする。いかにもC級作品というイメージになってしまっているのだ。
このシリーズくらい、階段を転げ落ちるかのように、作るごとにレベルがガクっと落ちていった作品も珍しいのではないだろうか。
