TOP

映画評index

ジャンル映画評

シリーズ作品

懐かしテレビ評

円谷英二関連作品

更新

サイドバー

ポルターガイスト2

明るくのどかな地方の家族に降り掛かった、とんでもない怪奇現象。
無邪気な小さな子供、テレビ、おもちゃなどといった、一見「怪奇現象」とは無縁に思えるような素材と怪奇現象を組み合わせた秀逸なアイデアで、ディズニーランドのアトラクション風というか、ファミリー向けジェットコースターホラーともいうべき独自の世界を繰り広げた前作に対し、本作では特殊な能力を持っていると思しきアメリカ原住民や主役の少女キャロルアンの祖母ジェス、骸骨のような風貌の無気味な親父ケインなどが登場し、冒頭から、いかにも「怪奇超能力映画」風の作りになっている。

前作が持っていた「基本的な明るさ、ユーモア要素と怪奇現象とのギャップの面白さ」は影を潜め、冒頭から陰鬱なムードが漂う本作は、意外性という点では凡庸な作品になってしまっているのは否めない。

何より、前作ではいかにも幼く無邪気な少女だったメリーアンが、本作では成長して、若干面長のお姉ちゃん顔になってしまっているのが、作品的にはつらい所。

また本作でも、おもちゃの電話などを小道具に使っているが、さほど効果を上げているとも思えず、全体的にアイデア不足、仕掛けもこぢんまりになってしまった感は否めない。

キャロルアンのお兄ちゃんの歯列矯正器が突然異常繁殖し、顔を覆っていく…などという面白いアイデアもない訳ではないのだが…。

父親が悪の力によって人間性が変わってしまい、家族の中に不信感が生まれる…というのが、本作でのポイントだが、その辺の描写が強烈なサスペンスを醸し出すというほどには掘り下げられているともいえず、中途半端な印象だけが残る。

「善の霊力と悪の霊力との超能力合戦」のような印象でまとめられただけの作品というべきか。

H・R・ギーガーデザインのクリーチャーも、前評判ほどのインパクトはなかった。