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ロマンス娘

1956年、東宝、杉江敏男監督作品。

美空ひばり、江利チエミ、雪村いづみの三人娘を主役に作られた「ジャンケン娘」に次ぐ「三人娘シリーズ」第二弾。

▼▼▼▼▼最初にストーリーを書いていますので、ご注意ください!コメントはページ下です。▼▼▼▼▼

寿司屋の娘ルミ(美空ひばり)、パン屋の娘エリ子(江利チエミ)、花屋の娘ミチル(雪村いづみ)は、高校の同級生。

近所で行われた盆踊りの後、同じ級友の中原(江原達怡)、山崎(井上大助)も交えて、ルミの家に集結。
ルミの父親(藤原鎌足)が握る寿司をパク付きながら夏休みの相談。
二人乗り自転車を借りてのサイクリングをしようと決定するが、肝心の軍資金がない。

後日、テニスをしながら、良いバイトがないものかと話し合う三人娘たちに、テニスの審判役をしていた大学生の久保田(宝田明)が声をかける。
デパートの会長をしている叔父の口利きで、そこの売り子になった三人娘。
ルミとミチルはおもちゃ売り場。エリ子は一人、風呂売り場に配属される。

客のおつりを渡しそびれた…と嘆くミチルに同情したルミとエリ子は、一緒に、その客の自宅まで金を届けにいく。
その美談が新聞に載り、それを自宅で読んだデパート会長の川村はことのほか大喜び。
ちょうど自分の誕生日だという事もあり、甥の久保田に三人娘を自宅に呼んでこさせ、ごちそうをふるまう。

それからというもの、三人娘は会長宅に度々訪れるようになる。

そんなある日、会長の元に一人の怪し気な中年男、森下(森繁久彌)が訪れてくる。
かつて、家を飛び出した会長の一人娘は、その後幼い子供を持ったものの他界、その後、父親も亡くなった今、天涯孤独となったその孫を引取る気はないかというのである。

半信半疑ながら会長は、その孫という少女と対面する事になる。
しかし、その少女はニコリともしなかった。

ちょうど会長宅に遊びに来ていた三人娘と久保田は、少女を連れて遊園地に。
最後に入ったお化け屋敷で、柔道を習っているエリ子がお化けを逆に投げ飛ばしてしまったから、さぁ大変!
お化けの正体は、何と中原と山崎だったのである。

ようやく笑うようになった少女だったが、久保田やルミは、森下の正体にますます疑いを抱く。

ロマンスグレーに憧れを持ち、森下を、一目会った途端に気に入ったエリ子は、酔った勢いで、彼の過去を掘り下げて行く。
彼から見せられたかつての女房だったという女性の写真に、その場にいたルミは驚く。

その女性とは、15年前、亭主と離婚した後、一人で娘を育て、今、再婚話が進行中だった、ミチルの母親、千春その人だったからである…。

 

▼▼▼▼▼個人的なコメントはここから下です。▼▼▼▼▼

前作同様、ちょっぴり「お涙要素」も交えながらの、全体としては、明るく楽しい音楽映画となっている。
今回も、前作同様、三人娘が「ひばり、チエミ、いづみ」のショーを観に行く楽屋落ちサービスがある。

今回は、ルミ(ひばり)はいづみファン、エリ子(チエミ)はひばりファン、ミチル(いづみ)はチエミファンという設定で、わざと、自分自身が登場すると一応けなした後、照れながら、自身の歌う姿を見る…という、愛らしい趣向になっている。

しかし、何といっても本作の見せ場は、森繁がエリ子の前で、一曲渋い咽を披露するシーンであろう。
最後のサイクリングシーンで、美空ひばりが歌うヨーデルも珍しい。

いづみ、チエミらと共に、「お嬢」美空ひばりのセーラー服姿が見れるのも、今となっては「お宝映像」といえるのではないだろうか。