1960年、東宝、筧正典監督作品。
「お姐ちゃんトリオ」が活躍するシリーズ第6作。
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アパートの同室に住んでいる仲良し三人娘、パンチ(団令子)、ピンチ(中島そのみ)、センチ(重山規子)は、各々のカレシの写真を部屋に張っていた。
VV-TYのディレクター、パンチは自分が担当している婦人番組「女の窓」の本日のゲスト予定、人気作家の水上水太郎(一竜斎貞鳳)を迎えにいくようにチーフの西山(柳沢真一)から電話連絡を受けるが、寝ぼけていて忘れてしまう。
ピンチとセンチに起こされたパンチ、あわててボーイフレンドの大津(高島忠夫)に連絡をとり、自分の代わりに出迎えに行ってもらう事にする。
大津は「社会の窓」のスポンサー、アモーレ化粧品の社員でもあったからだ。
その日、デザイナーの卵、センチは、店にやってきたビート族で自称前衛芸術家のカレシ、滝靖男(岡田真澄)から舞台衣装の注文を受けていた。
その頃、自動車教習所でいちゃついていたのは、ピンチとそのカレシでボクサーの空谷ヒロシ(瀬木俊一)。
ピンチは遅れてやってきたセンチに空谷を紹介した後、今度はセンチに運転を教えるため、センチが運転する自動車に同乗したまま外へと乗り出したところで、たまたま通りかかった大津の運転する自動車にぶつけてしまう。
大した事故ではなかったが、大津の自動車に乗せられていた作家の水上が大袈裟に痛がり、そのまま入院する騒ぎになる。
事の成りゆきに焦ったピンチとセンチは、救急車が来る前にその場を逃げ出してしまう。
テレビ局へ仕事捜しに訪れていた滝は、出演予定の水上が事故って出演できなくなった穴埋めに、急遽、ピンチから「女の窓」へ出演させてもらう事に。
しかし、これを会社で見ていたアモーレ化粧品の社長(上原謙)は、その下品さに激怒する。
その事がきっかけとなり、大津とパンチは絶交。
その直前まで、二人仲良く見に行く約束をしていたボクシングの試合に大津は一人で行くはめになる。
しかし、そこで偶然にもであったのは、先ほど車をぶつけられた相手、センチとピンチ。
二人は、ピンチのカレシ、空谷の応援に来ていたのだった。
ところが、ピンチの応援が仇になり、空谷は11秒KOという記録的な早さで負けてしまう。
そのふがいなさに愛想を付かせたピンチは、そのまま大津を連れ出してデートに出かける。
一方、負けた空谷に同情したセンチは、彼に思いを寄せるようになって行く。
パンチはといえば、滝と意気投合し、怪し気なドヤ街へと足を向けるようになる。
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お姐ちゃんトリオが、ひょんな事から互いのカレシをクルクル取り替えていく事になり、やがては仲間割れの危機に…という他愛のないラブコメ。
高島忠夫と中島そのみによる、ミュージカルめいた歌のシーンもあるが、本作の見どころは、何といっても、前衛舞踏家を演じる若きファンファン(岡田真澄)。
「復活の日」の草刈正雄そっくりな顎ヒゲ姿で、そのギスギスに痩せたスマートな身体!
全編に渡り、不可思議なビート族(後のヒッピーみたいな若者たち)の生態を見せてくれる。
彼が、本作で一番目立っている事は確か。
ボン(高島忠夫)は、有名人に関するつまらないものを集めているのが趣味…という設定が面白い。
相撲の朝潮(先代)や野球の長嶋の胸毛を集めていたり…と、現在でいえば「やくみつる」的収集家。
相変わらず、お金の計算が得意なパンチは計算尺を持っているし、ピンチはかん高い独特の声と元気な姿、そして、おとなしめのセンチは、お得意のダンスを最後にファンファンと一緒に披露してくれる。
このシリーズは、おそらく、当時の若い女性にも男性にも愛されたに違いない。
そんな事を思わせる楽しい作品である。
