1963年、大蔵映画、小林悟監督作品。
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映画冒頭から、いきなり、火の玉や、池から現れる大蛇、ギロチンで首をはねられる外国人の姿など、いかにもホラーっぽいシーンから作品は始まる。
外国人グループと共にピクニックに来ていた京子(扇町京子)は、グループの中の一人、ロバートから草むらで誘惑される。
しかし、その現場を、ロバートの恋人、ペギーに見つかってしまう。
ペギーは、ロバートの京子への心変わりを心配するようになる。
そんな京子は、ある日、町を歩いている所をヤクザに絡まれ、車で拉致されそうになった所を、偶然、通りかかった南条虎夫(江波志郎)に助けられるが、その虎夫自身は、ヤクザが持っていた刃物で、逆に相手を刺してしまったとして、刑務所送りになってしまう。
裕福でありながらも、父亡き後、義母とうまくいっていない京子は、自分勝手な生活を送っており、自宅に、ロバートら外国人たちを招いては、毎日のようにパーティなどを開いていた。
ますます、ロバートとの仲が深まった頃、京子は、そのロバートから恐ろしい相談を持ちかけられる。
自分もそれなりの財産を持っているので、邪魔なペギーを殺害して、二人が結婚すれば、大金持ちになるというのである。
さっそく、ペギーを誘い、三人でドライブに出かけた京子らは、言葉巧みにペギーを崖の近くに誘い出し、そのまま、彼女を墜落死させてしまう。
しかし、それからというもの、京子とロバートは、絶えず、ペギーの亡霊に悩まされる事になって行く。
ロバートが所有する箱根の別荘に移ってからも、その変異は続いた。
そんな中、京子に思いを寄せていた虎夫が出所してくる。
虎夫は、京子の方も自分の事を今でも思い続けてくれており、よもや彼女が外国人と暮していようなどとは想像もしていなかったのだ。
やがて、その京子が別荘で殺害される事件が起こる。
その現場には、血にまみれたナイフを持った虎夫の妹、宮子(一条美矢子)が、呆然と立ち尽くしていた。
かねてより、虎夫の弁護のため、宮子と付き合いがあった弁護士の桜井邦彦(梅宮正二)が、事件の真相を暴くため、一人調査を開始する…。
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観終わってみると、エログロミステリーともいうべき内容であった事に気付く。
つまり、ホラーとしては陳腐というしかなく、別に怖くも何ともないからだ。
冗漫なロバートと京子のベッドシーン(昔の作品だけに、どうというほどの表現ではない)が、何度も繰り返されるだけで、その通俗的な官能(?)シーンと、薄っぺらなオカルトシーンを混ぜ合わせただけの、全体的には安っぽいC級映画というべきだろう。
劇中、蛇を怪奇現象の象徴として何度も使っているが、これも怪談の小道具としては凡庸なアイデアだろう。
今では、いかにもチープな通俗ホラーというか、この手のものが好きな人だけが楽しめる珍品ではないだろうか。
