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ジャンケン娘

1955年、東宝、杉江敏男監督作品。

美空ひばり、江利チエミ、雪村いづみを主役に作られた「三人娘もの」の第一弾。

▼▼▼▼▼最初にストーリーを書いていますので、ご注意ください!コメントはページ下です。▼▼▼▼▼

17才の阿佐見ルリ(美空ひばり)と千明由美(江利チエミ)は修学旅行で京都に来ていた。
川べりに立って、級友の森(江原達怡)から写真を撮ってもらっていた二人、近くで始まった映画のロケに大半の級友たちのみならず、うるさ型の亀沢先生(岡村文子)までもが、こけつまろびつ、見に行った姿を見て大笑い。その拍子に川へ落ちてしまう。

スリップ姿になって衣服を乾かしていた二人、今度は見知らぬ学生が二人近づいてきたので、あわてて、川の中に入り、ちょうど川で洗われていた染め物を手にして、あたかも、その職人であるかのように装おう。

しかし、近づいてきた学生の一人(山田真二)は、そんな二人の姿をバッチリ写真に撮り、ついでに、近くにあった千明由美の名前入りの鞄もしっかり写真におさめて帰る。彼は由美の事を一目惚れしてしまったのであった。

二人は、ルリの母親とはかねてよりじっこんの芸者おいね(沢村貞子)の家にやっかいになる。
そこで、若い舞妓のひな菊(雪村いづみ)と知り合う事に…。

その頃、東京で料亭を営んでいるルリの母親、お信(浪花千栄子)の元へ、北島(高田稔)が訪れてきて、近く駐仏大使としてフランスへ行く事になると告げる。

実はルリは、かつて芸者だったお信に、その北島が生ませた子供だったのだ。
その後、女手一つで育ててきたルミの晴れ姿を、渡仏前の北島に見せようと、お信は、京都から帰ってきたルリに、踊りの稽古の仕上げをせかす事になる。

しかし、当のルリは上の空状態。

何故なら、京都から遊びに来ていた「ピヨちゃん」こと、ひな菊の幻の恋人捜しの事で頭が一杯だったからである。
舞妓のひな菊は、後一月で、好きでもない中年オヤジに身請けされてしまうというのである。
ひな菊は、そうなる前に、かつて一目惚れした「斉藤」という名前の西北大学生に会いたいという。

同情した由美とルリは、さっそく、その「斉藤」なる学生捜しを始める。

その頃、彫刻家である由美の父親(小杉義男)の元へ、古くからの友人である日本画家の須村(龍岡晋)と共に一人の学生が訪れていた。
京都で、由美等の写真を撮ったあの学生であった…。

 

▼▼▼▼▼個人的なコメントはここから下です。▼▼▼▼▼

他愛のないアイドル映画といってしまえばそれまでだが、ひばりと父親との再会話など、ちょっぴりお涙要素も交えて描く、基本的には楽しい音楽映画になっている。

三人娘が気分転換目的で、日劇に「三人娘」のショーを観にいく所が特に楽しい。
本作では、舞台に登場する三人娘の名前は「美空ひばり、江利チエミ、雪村いづみ」ではないものの、客席の三人娘が、各々、自分自身がステージを歌っている所を夢想する…という趣向で、本人が自分のステージを観ているという楽屋落ち的な演出にしているのである。

一応、先輩格のひばりが、ドラマの最後を締める役所を演じているが、江利チエミのコメディエンヌ振りも見のがせない。

若き江原達怡や、山田真二のハンサム振りも見どころ。