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誇り高き挑戦

1962年、東映東京、深作欣ニ監督作品。

いわゆるニュー東映作品である。

▼▼▼▼▼最初にストーリーを書いていますので、ご注意ください!コメントはページ下です。▼▼▼▼▼

三流業界紙の「鉄工新報」に勤める黒木(鶴田浩二)は、カメラマンの助手畑野(梅宮辰夫)と共に、最近急に活気が出て来た三原産業に取材に出かける。

サングラス姿で押しの強い取材をする黒木は、相手側にかまをかけて、三原産業が秘かに海外向けのMS型マシンガン製造をはじめた事を知る。
その取材の後、黒木はその会社で働いていた、旧知の弘美(中原ひとみ)に出会う。

そんな中、東洋民族文化展が都内で開かれる事になり、革命軍の手中に落ちた某国から来日したマリン(楠郁子)が亡命を発表する。
黒木は、彼女らが所属していた東洋芸術協会という組織に疑いを抱く。
彼女らこそが三原産業から武器を買おうとしている当人ではないか。

そして、その組織の背後に高山(丹波哲郎)なる人物の名前が上昇してくる。

黒木は、手に入れた高山の写真に見覚えがあった。

かつて、一流新聞の記者であった黒木が、ある女性の死亡事件の真相を追い掛ける内に出会った、GHQの手先だった男である。
さらに、その高山という男、GHQの前は、日本の特務機関にいたという怪し気な経歴の持ち主でもあった。

黒木は、何とか高山と接触をはかろうとする。

やがて、高山と再会した黒木だったが、高山は陰でマリン個人と密かに手を握りあっていた。

一方、今では、ベトナムで負傷した黒人と同棲していた弘美に、会社の仕事状況を調べさせていた黒木は、その弘美が失踪した事実を知らされる。

彼女は、とある精神病院に閉じ込められていたのだった…。

三流記者に身を落としながらも、真実を暴き、報道しようとする黒木の姿勢に、世間の壁は厚かった。
正義派の黒木には、そんな世間が歯がゆくて仕方がない。

 

▼▼▼▼▼個人的なコメントはここから下です。▼▼▼▼▼

全体的に、当時流行りだった、社会派推理小説の影響が色濃く感じられる内容である。

一瞬、誰なのか判別不可能なほど若く甘いマスクの梅宮辰雄や、髪の毛フサフサの八名信夫が登場している。
黒木が追い求めていた過去の死亡事件の被害者の妹役は大空真弓。

また、ハードボイルドなスタイルの鶴田浩二も珍しいが、丹波哲郎のキスシーンがあるのにも驚かされる。
映画出演数多い彼だが、キスシーンというのは今まで観た記憶がない。

意外と手堅くまとめられた娯楽作…という印象である。