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ザ・タイガース/華やかなる招待

1968年、東京映画&渡辺プロ、山本邦彦監督作品。

グループサウンズブームの頂点に立つ超人気グループで、ジュリー(沢田研二)やサリー(岸部一徳)が所属していた、ザ・タイガース主演の音楽映画第二弾。

▼▼▼▼▼最初にストーリーを書いていますので、ご注意ください!コメントはページ下です。▼▼▼▼▼

赤塚(岸辺おさみ=現一徳)、糸川(加橋かつみ)、宇野(沢田研二)、江田(瞳みのる)、大坪(森本太郎)の5人は、女学生たちに代返を頼んでは、しょっちゅう授業をサボる地方の高校生たちだった。

彼らの夢はバンドで有名になる事。

しかし、学校長(藤村有弘)や、担任である薮井(西村晃)、そして、彼らの両親たちは、そんな彼らの生活態度を改めさせようと、その長い髪を切ろうと押し掛けてくる。

その騒動から逃れた5人は、駅に停車中の貨物車に隠れるのだったが、その列車は彼らを乗せたまま東京に直行してしまう。

薮井は一人、彼らを捜すために東京に出てくる。

一文無しの彼らは、とあるレストランに紛れ込んだ後、何時の間にか出されていた料理を食べる前に、薮井に鉢合わせしそうになり、金も払わず逃げだしてしまう。

そんな彼らが出会ったのが一人の画学生(小山ルミ)、彼女は腹を空かせた彼らを自分の住まいに案内するが、そこに帰って来たのがルームメイトの久美子(久美かおり)、彼女こそ、先ほど、彼ら5人が無銭飲食した形で逃げ出したレストランのレジ係だったのだ。

彼女たちの住まいに同居させてもらう事になった5人は、バンドボーイのアルバイトをする事になるが、ある日、彼女たちから歌を聞かせて欲しいと頼まれ、先輩バンドの楽器をこっそり拝借し演奏をする。

しかし、電柱から引っ張っていた電線がショートし、彼らは女の子二人と別れ別れになったまま逃げ出す。
ちょうど同じ頃、少年院から逃げ出した他の5人の少年と間違われて留置所に入れられた5人、そこで先に入っていた少年(ケン・サンダース)から、楽器などなくても音楽はできると教えられる。

一方、5人の演奏をテープに録音していた久美子は、それを音楽事務所の山本社長(牟田梯三)に聞かせ、気に入られるが、当のメンバーたちの行方が分からない。

やきもきする内に、ある日街角でジュリーたちの姿を見かけた久美子は、思わず道を渡ろうとして車にはねられてしまう。

そんな事とは知らないジュリーたちは、独自に山本社長に接触、すぐに契約を結ぶ事が出来たのだが、肝心のデビューショーの直前に、久美子が入院しており、その足の手術をする資金がない事を知らされる。

苦悩するジュリーたち。

結局、5人は、大切な楽器を売ったお金で久美子の手術台を捻出する事になる…。

 

▼▼▼▼▼個人的なコメントはここから下です。▼▼▼▼▼

他愛無いアイドル映画といってしまえばそれまでだが、薮井先生を演じる西村晃はじめ、春川ますみ、大泉滉らの助演もあって、手堅くまとまっている。

冒頭からラストまで、ジュリーを中心としたメンバー5人の歌と踊りが満喫できる楽しい音楽映画になっている。

特に、ジュリーのアップシーンには、美人女優のように、時として紗がかかっており、まさに「美貌のスーパーアイドル」として、女優並みに丁寧に撮られている事が分かる。

マッシュルームカットの内田裕也や、若き小松政夫など、当時のナベプロの若手がさりげなく顔を出している所にも注目したい。