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日露戦争秘史 敵中横断三百里

1957年、大映、山中峯太郎原作、黒澤明&小国英雄脚本、森一生監督作品。

雑誌「少年倶楽部」に連載されていた人気小説の映画化。

▼▼▼▼▼最初にストーリーを書いていますので、ご注意ください!コメントはページ下です。▼▼▼▼▼

昭和38年1月、大本営会議の席から物語は始まる。
旅順攻略の後、日本軍の武器弾薬は底をつきかけていた。
この状態で戦いを遂行するには、敵の動きをいち早く察し、一大決戦に挑むしかなかったのである。

舞台変わって、満州の大山部隊。
児玉連隊長(中村伸郎)は、建川中尉(菅原謙ニ)を呼び寄せる。
現在の厳しい状況を説明した後、部下と共に鉄嶺の後方にまで潜入し、敵軍の視察、及び、破壊工作も出来たらして欲しいむね伝える。

早速、建川中尉は、豊吉(北原義郎)、大竹(高松英郎)、野田(浜口喜博)、神田(原田言玄)、沼田(石井竜一)ら5人の精鋭と共に、斥候挺身隊を結成し、雪の荒野に馬を走らせる。

途中、馬族を率いている日本人、橋口裕馬(根上淳)に遭遇、一夜の宿を提供されたりした後、苦難の末、何とか鉄嶺まで到着した斥候隊は、敵の主力が、列車で奉天へ移動中である事を察知する。

決戦の場は奉天である。

その情報を逸早く日本軍へ報告せんと、一行は往路よりはるかに危険な復路に向かう。

その途中、ロシアのコサック隊に発見され追尾を受ける中、沼田の馬が足を踏み外し、路肩の窪地に落ちてしまう。
迫りくるコサック隊。
やむなく一行は、沼田を残し、その場を逃れる。
その背後から聞こえてくる銃声。

さらに、苦難の道は続き、雪の谷間で一晩を過ごした一行は、翌朝、周囲をロシア軍に完全に包囲されている事に気付く。

一人でも生き残って情報を送り返すために、一行は降り注ぐ銃弾の中、バラバラになって馬を走らせる5人。

4人は約束の集結地点にたどり着いていたが、豊吉の姿がない。
しかし、やがて、ふらふらになってたどり着く豊吉の姿があった。
愛馬をやられたため、一人歩いて来たのであった。

自分がこのまま付いて行ったのでは、足手纏いになるので、この場で切腹すると言う豊吉。
苦渋する一行に、どこからか、馬のいななき声が…。
何と、途中で死んだ沼田の馬が駆け付けたのである!
沼田の魂が乗り移ったのか?

勇躍、一行は、さらに待ち受けるロシア軍の中に突き進んで行く…。

 

▼▼▼▼▼個人的なコメントはここから下です。▼▼▼▼▼

一見、直線的で単純な話に思えるが、一応実録が元になっているらしい。
ただし、原作は、あくまでも「少年向けの冒険小説」であるため、かなり、御都合主義的に感じられる部分があるのは、致し方ない所だろう。

一体、どこでロケをしているのだろう?…と思ってしまうほど、広大な雪の荒野が描かれている。
中国風の家並みなどもそれらしく作られており、一瞬、本当に中国で撮っているのかも…と思ってしまう。(一応、特撮担当として、的場徹の名が出ているが、合成に見える部分は少ない)

ロシアのコサック隊や、ラストの一大決戦の場面の日本軍を演じるエキストラの多さには、正直驚かされる。一体、何百人いるのか見当もつかないほどだ。

品川隆二や船越英二、川崎敬三らも出演しているらしいのだが、古い白黒作品と言う事もあって、正直、画面上で判別は難しい。

どちかかといえば、ストーリーよりも、画面の雄大さを楽しむ作品ではないだろうか。