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影狩り

1972年、石原プロ、さいとうたかを原作、舛田利雄監督作品。

▼▼▼▼▼最初にストーリーを書いていますので、ご注意ください!コメントはページ下です。▼▼▼▼▼

但馬の国、出石藩の山奥で、幕府派遣の忍びの一団が見張り小屋を襲い、死体の中から多数の小判を発見する。
貧困に喘いでいた小藩が独自に金山を発見していたのであった。

さっそく、その小判を持って、幕府に報告しようと、いくつかのグループに分かれ旅立つ忍者たち。

その忍者たちが、道中、謎の侍たちに襲われ全滅してしまう。

忍者たちの前に立ちふさがったのは、経済の行き詰まり解消のため、諸国の小藩を潰すための材料捜しに派遣している幕府側の忍者たちを逆に抹殺するため、諸藩が雇っていた「影狩り」と呼ばれる三人の浪人、通称、日光(内田良平)、月光(成田三樹夫)、そして室戸十兵衛(石原裕次郎)らであった。

彼らは、奪い返した小判を持って、依頼主である出石藩の家老の元に馳せ参じる。

一方、かろうじて一枚だけ江戸に持ち込まれた小判を見せられ、出石藩の裏事情を知った老中(丹波哲郎)だったが、出石藩が、かつての武勲への褒美として、家康から渡されていた「永代本領安泰(取り潰す事ができない約束)」の書状を持っているため、うかつに手が出せない事をお庭番に打ち明ける。

出石藩家老は、その書状を持って、江戸へ向かう大目付、高坂蔵人(江原真二郎)ら一行を護衛するよう、十兵衛らに依頼する。

十兵衛は、藩の内部に草(地元民に溶け込んでいる忍者)がいると見抜いていたのだが、その正体が分からぬまま旅に同行する事になる。

その旅立ちの朝、半兵衛に駆け寄る鳥追い姿の女が一人。
その女こそ、かつて藩を潰されて以来、別れ別れになっていた、十兵衛の父親、室戸内膳の親友の家老の娘、ちとせ(浅丘ルリ子)の変わり果てた姿であった。

ちとせは、父親の遺言通り、十兵衛と共に死のうと、諸国を捜しまわっていたのであった。
しかし、全く相手にしない十兵衛。

十兵衛ら「影狩り」の三人も皆、かつて、幕府に藩を潰された経験を持つ侍たちであったのだ。

そんな様子を見ていた高坂は、女を利用できると読み、自分らとの同行を許すのだった。

 

▼▼▼▼▼個人的なコメントはここから下です。▼▼▼▼▼

元々、人気劇画が原作だけあって、各々のキャラクターが面白い。
女好きの日光、ニヒルな月光、そして、無骨ながらも礼儀正しい十兵衛。

そんな彼らが、めちゃくちゃに強いのだから、展開は痛快無比!

主役の裕ちゃんの立ち回りは、さすがにうまいとも思えないが、そこは、襲い来る忍者たちの方の動きでうまくごまかしている。

決して大作ではないが、理屈抜きに楽しめる娯楽時代劇の秀作になっている。