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へそくり社長

1956年、東宝、千葉泰樹監督作品。

▼▼▼▼▼最初にストーリーを書いていますので、ご注意ください!コメントはページ下です。▼▼▼▼▼

明和商事の社長、田代善之助(森繁久彌)は、妻、厚子(越路吹雪)の尻にひかれる毎日。
今朝も、胃ガンや高血圧の原因は米にある(現在とは正反対!)…との学説を盲信した妻の食事療法により、好きでもないパンと生野菜の朝食にへきえきしている。

朝の会議では、秘かに田代の事をバカにしている大株主の赤倉(古川緑波)が、あろう事か、一人で注文したうな重を二人前も食べながら話をしている。
米が食べたい田代は、そんな姿を見せられてイライラ!

そんなある日、先代社長の娘、未知子(八千草薫)が上京してくる。
男の世界が見てみたいという、彼女のわがままを満足させるため、田代はしぶしぶながらも、彼女を芸者遊びの席へ案内する。
その席で、芸者たちからリクエストされた田代、酔った勢いもあり、得意の泥鰌すくいを披露するはめに…。
さらに、立ち寄った寿司屋で、久々の米をたらふく食う始末。

帰宅後、その事を妻に悟られまいとする田代は、妻が出した夕食用のパンを叉もや無理に食べる事となる。

未知子がこちらでの様子を電話した実家の母親、さっそく厚子に、社長なるもの、泥鰌すくいなどという下品な芸を見せるようでは恥、小唄の一つでも覚えさすようにと進言する。

その忠告通り、小唄の師匠の元へ通う事になった田代、最初は歌など全くダメだと嫌っていたのに、師匠(藤間紫)が美人だった事、同じ師匠に、あの赤倉も習っていた事などを知ると、ライバル心もあって、急にやる気を出す。

会社にやってきた、恋人でタイピストの大塚悠子(司葉子)の弟に、姉の手前、つい良い所を見せようと、小遣いを渡す所を田代に見られた秘書の小森(小林桂樹)、あろう事か、その田代にまで小遣いを貸せとせがまれる始末。

ある日、師匠から銀座へ呼出された田代、そのまま、師匠に誘われるまま旅館へ。
店を出したいので、少し、資金を融通してくれないかと相談される。
ライバルの赤倉も金を出してくれそうだが、彼からは借りたくない…という。
乗り気になる田代。
先に風呂に入っててくれ、自分もすぐ後から入るから…とまでいわれた田代、すっかり鼻の下を伸ばして入浴する。

ところが、当の赤倉が自宅を訪れていると電話で知った師匠、そのまま帰ってしまう。
知らぬは入浴中の田代だけ。
いつまでも来ぬ師匠を待つ内に、すっかりのぼせ上がってしまった田代、貧血を起こし、座敷きに倒れ込んでしまう。

久々のデートで悠子と共に映画館に来ていた小森、場内呼び出しで田代が倒れた旅館に向かわせられる。
またしても、すっぽかされた悠子は、お冠!

そんな女で迎えたボーナス支給日。
久々の宴会で、田代はまたまた、周囲から乗せられ、泥鰌すくいを、部長(三木のり平)も交えて披露する事に…。

間が悪い事に、ちょうど用事があって上京してきた先代社長の老妻が、未知子、厚子を同伴して、その宴席にやってきたから、さあ大変!

 

▼▼▼▼▼個人的なコメントはここから下です。▼▼▼▼▼

お馴染み「社長シリーズ」の第一弾となる作品である。

全編、軽妙な芸を披露する森繁も若々しいが、登場する女優陣のみんなきれいな事!

森繁とのり平との泥鰌すくいの芸には、今でも笑わされる。

お色気と、庶民的なユーモアに色どられた、大人向けの、のどかで、どこか懐かしい風情を感じさせる、サラリーマン喜劇の秀作である。