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御用牙・かみそり半蔵地獄責め

1973年、勝プロ、小池一夫&神田たけ志原作、井上芳夫監督作品。

▼▼▼▼▼最初にストーリーを書いていますので、ご注意ください!コメントはページ下です。▼▼▼▼▼

江戸の町を逃げ回る二人の男、その後を追い掛ける捕り手らしき人影。
橋の上で、二人の男は立ち止まる。
前方から、駕篭を抱えた身分ありそうな一行が向かってきたからである。
駕篭には、勘定奉行、大久保山城守(小松方正)、お供の者は、本田麟太郎(岸田森)と、用心棒、御子柴十内(黒沢年男)ら。

それらの面前で、駆け付けた捕り手があたふたする二人の男を取り押さえる。

その捕り手の傍若無人の態度を叱責する本田。
それに対し、捕り手の男は一歩も引かない。
奉行を奉行とも思わぬ、悪口雑言振りの返事。

その捕り手の男こそ、北町奉行同心、板見半蔵(勝新太郎)その人であった。

噂に名高い、その非常識振りに、一旦は刀を抜いて対峙した御子柴を大久保は苦笑して制し、その場は事なきを得る。

捕らえた二人組はこそ泥であり、持っていたふろしきからは女物の着物などが入っていた。
牛込の水車小屋に女の死体があったので、それをくすねてきた…というのである。

半蔵は、早速、手下の二人(蟹江敬三、草野大悟)を伴い、水車小屋へ。
護摩の匂いがするその死体は、堕胎を終えた後、死亡したらしい事を嗅ぎ付けた半蔵は、子おろしの護摩供養をしている宗教がないか探りはじめる。

その妖し気な宗教はすぐに判明し、女教祖は召し捕ったものの、死んだ女が誰の子を孕んだのかが分からない。両親(稲葉嘉男ら)も見当が付かないという。

やがて半蔵は、一件の不審な尼寺を突き止める。

寺社奉行の管轄であるため、表からは入り込めないと分かっている半蔵は、奇策を労して寺の中に侵入する。
そこで行われていたのは、かどわかしてきた良家の娘を売り買いし弄ぶ…というとんでもない行為であった。

その場の居合わせた、如海尼(相川圭子)という尼僧を捕らえる半蔵。
一方、取り逃がした客の中には、見覚えのある構えをする侍がいた。

容赦のない拷問を如海尼に加え、黒幕を聞き出そうとする半蔵。

そんな時、半蔵は、悪名高い強盗団の首領、浜島庄兵衛(佐藤慶)が、後藤家の金座を狙っているので、それを召し捕れという達しを、北町奉行と筆頭与力の大西孫兵衛(西村晃)から受ける。

 

▼▼▼▼▼個人的なコメントはここから下です。▼▼▼▼▼

人気コミックの映画化作品で、主人公の破天荒なキャラクターを、勝新が、実に楽しそうに演じている。
勝自身の個性と、どこか相通ずる所があったからかも知れない。

元々、ポルノチックな描写が売り物だった原作だけに、本作も奇想天外な展開と同時に、随所にエロティックな描写が盛り込まれている。

憎まれ役を演ずる西村晃、後半での悪役振りが光る佐藤慶などを注目したい。
黒沢年男演じる用心棒は、やや迫力不足か?

元気一杯だった頃の勝新の姿を見ているだけで嬉しくなる、痛快娯楽時代劇。