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エレキの若大将

1965年、東宝、岩内克己監督作品。

▼▼▼▼▼最初にストーリーを書いていますので、ご注意ください!コメントはページ下です。▼▼▼▼▼

京南大学、アメフト部の新キャプテン選に、事前の根回しの甲斐もなく破れ去った青大将こと石山新次郎(田中邦衛)は、自分に票を投じなかった他の部員たち(二瓶正也や黒沢年男)らに八つ当たりする。

それを止めに入った新キャプテン田沼雄一(加山雄三)は、自分の店「田能久」で仲直りの宴会を行う。
そこで調子に乗って酔っぱらった青大将の運転する車は交差点で信号無視、前方から来た楽器店の車が巻き添えを食い事故ってしまう。

すでに9回も交通違反していた青大将は、たまたま同乗していた若大将が運転していた事にしてくれ、と泣きつく。
事故った車には、楽器店店員の星野澄子(星由里子)が乗っていたが、幸いにも傷は大した事がなかった。

後日、事故関係の賠償金として合計9万4千円も請求された若大将と青大将は思案に暮れる。
青大将、石山の父親(高田稔)も、さすがに相手にしてくれなかったからである。

そんな時、楽器店で出会った同級の女生徒ら(現加山夫人、松本めぐみら)が、「アイビー・ガールズ」というエレキバンドを組んで、テレビのエレキ合戦に出る話を聞いた二人は、その賞金が10万円と聞いて、自分らもにわかバンドを組んで出場する事にする。

エレキが大好きで、いつも若大将の部屋に上がり込んでいた蕎麦屋の出前持ち、たかし(寺内タケシ)も加わったバンド「石山新次郎とヤングビーツ」は、本番で次々と勝ち進んで行く。

いよいよ本戦。

ライバルバンドのリーダーで、銀行頭取のドラ息子、赤田(ジェリー藤尾)は、青大将に本番で手加減するように脅しを入れるが、とっさの機転をきかせた若大将の歌「夜空の星」で、ヤングビーツは辛くも優勝する。

クラブレストランで行われた、その祝勝祝いの席で、若大将たちグループは赤田たちとけんかになってしまい、若大将は父親の久太郎(有島一郎)からは勘当され、学校も一ヶ月の停学を食らってしまう事に。

エレキ合戦の時、腕を見込まれてプロへと誘われたたかしと共に、若大将もプロとして、演奏旅行に参加する。

日光のホテルで、青大将といっしょにやってきた澄子と再会。
若大将は、澄子のために作った新曲「君といつまでも」を披露する。

しかし、その後、若大将の元へ、「田能久」が倒産したとの妹、照子(中真千子)からの電報が届く。

そのピンチを救うから、娘、松原路子(北あけみ)と結婚して欲しいと若大将に頼む、富豪の父親(上原謙)の説得話をたまたま、部屋の外で立聞いた澄子は、その後、店から失踪してしまう。

いよいよ、若大将たちの休学も解け、西北大学とのアメフトの試合が迫る中、若大将は学校を辞めると言い出す。店再建の方策も見つからないままであった…。

 

▼▼▼▼▼個人的なコメントはここから下です。▼▼▼▼▼

お馴染み「若大将シリーズ」の6作目である。

ゴジラ映画「怪獣大戦争」と併映された事もあり、加山人気を決定付けた会心作。
「怪獣大戦争」でのゴジラ同様、本作でも青大将、田中邦衛が「シェー!」を披露する!
前半のエレキ合戦から、後半のアメフトの試合まで見せ場も多く、青大将のキャラクターもうまく生かされていて、楽しさ一杯の娯楽作となっている。
劇中歌「夜空の星」「君といつまでも」も大ヒットした事は有名。

エレキ合戦のシーンは特に注目。
司会者は、七三分けのヘアスタイルの内田裕也さんである。
「マイネームイズ、ショーン・コネリー」、シャークスというバンド名を聞いて「それはシャークな名前ですね」などと、ベタな洒落をいう。

ヤングビーツのメンバーは、田中邦衛、加山雄三、(エレキの神様)寺内タケシ、二瓶正也、黒沢年男の豪華メンバー。

後半には、寺内タケシとブルージーンズのメンバーとして、後に「ワイルドワンズ」のリーダーとなる、若き日の加瀬邦彦も登場する。

歌あり、スポーツあり、恋あり、笑いあり…。
映画全盛期の勢いを感じさせる「痛快青春ドラマの決定打!」ともいうべき作品。