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エノケンのびっくりしゃっくり時代

1948年、大映東京、島耕二監督作品。

▼▼▼▼▼最初にストーリーを書いていますので、ご注意ください!コメントはページ下です。▼▼▼▼▼

小学校時代から気が小さく、先生に叱られたり、女の子にふられたりしてショックを受けると、思わずしゃっくりが出てしまう健ちゃん、大人になっても、その性癖は変わらない。

ある日、街頭で歌を披露している一団に近付いた一文無しの健ちゃん。
歌に聞き入る群衆の中で、一人に男が紳士の後ろポケットから財布を抜き取ろうとしている。
スリだ!
思わず驚きの声をあげる健ちゃんだったが、スリの方が上手。
ちゃっかり抜き取った財布を、健ちゃんの手に握らせてしまった。
さあ、群集は大騒ぎ!

もみくちゃにされてしまったばかりでなく、腹も空かせている事に気付いた路上歌手の歌ちゃん(笠置シヅ子)は、健ちゃんに自分の弁当を食べさせてやる。

そんな所へ警官を伴ってやって来たのは、先ほど財布をすられた紳士。
健ちゃんをスリだと告発している。

健ちゃんの目撃証言から、実際の犯行は、口が不自由で、頬に目立つ痣がある、地元でも有名なスリのサブ公であった事が判明。
紳士は恐縮し、おわびの印にと、健ちゃんを自分の屋敷に招き入れる。

その紳士の正体は、政界入りを目論んでいる黒川幕太郎といい、大正電工と汚い裏取引をやっていた。

そんな事とはつゆ知らない健ちゃん、スリに盗まれた財布を取り戻してくれと黒川から依頼されると、その日から、黒川の家で厄介になる事に。

さっそく、わがままなお嬢様のお供をして、町へ買い物の手伝いに出かけた健ちゃん、お嬢様の婚約者なる紳士が他の女生とデートしている所を目撃、お嬢様に知らせる。
あわてて、その後を追い掛けるお嬢様。でも、見失ってしまう。
さらに、健ちゃんの思わぬ不注意から、路上で買い物中のおばさんの服を脱がせてしまう始末。

婦人侮辱罪にとわれた健ちゃん、その罪滅ぼしにと、おばさんの家の手伝いとして住み込む事に。

金持ちだけど、根はケチなそのおばさん女主人、広い屋敷で、召し使いは健ちゃんただ一人。
盛大に自宅で開いたパーティで、健ちゃんに、大勢の使用人に成り済ませと命ずる。

いわれるままに、健ちゃんは、台所でメイド、三太夫、バトラーなどに変装し、八面六臂の大活躍!
偶然、そのパーティにやって来た黒川のお嬢様とその婚約者ともはち合わせ!
お嬢様は、別の女連れでやって来た婚約者、山口を見て、自分が騙されていた事に気付くのだった。

そのパーティの裏庭で、そこの女主人が大量の軍服を買い付ける裏取引の話をしているのを偶然聞いてしまった山口は、悪心を起こし、後日、その裏取引の現場にやってきた女主人と健ちゃんの車を襲撃し、二人の身ぐるみを剥いで逃げ去る。

パンツ一丁の姿になった健ちゃん、女主人から逃げ出し、一人何とか、黒川の屋敷にたどり着く。
そこで、ばったり、山口と再会、お嬢様の前で、彼が強盗だと告発する。
山口はその場から逃走してしまう。

やがて、歌ちゃんのグループと再会した健ちゃん。
スリのサブ公をグループのメンバーたちと協力して捕まえる。
すり取った財布の行方を訪ねると、先日の大騒ぎの中、健ちゃんの服のポケットにいれたという。
そのボロ服は、今、黒川の屋敷内の焼却箱に入れている事に気付き、あわてて屋敷に駆け付ける健ちゃんたち。

一方、黒川から、新しく、財布奪還の命令を受けていた探偵社では、財布の中身が、黒川の秘密を暴く大切なものが入っている事に気付き、自分達も屋敷に向かうのだった。

 

▼▼▼▼▼個人的なコメントはここから下です。▼▼▼▼▼

今も昔も変わらない、政界汚職を皮肉った内容となっている。

笠置シヅ子の伸びやかな歌声と、エノケンの変装芸、大人数による追っかけドタバタなどが楽しめる。