1949年、東宝&藤本プロ、石坂洋次郎原作、今井正監督作品。
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ある地方都市の日曜日、一人の女学生が、雑貨屋に訪れて来て、そこで留守番をしているらしき青年に、卵を買ってくれないかと切り出す。
いぶかしむ青年。
女学生は、それを売ったお金で学用品を買うように親から言われたのだと言う。
しかし、青年は意外な事を言い出す。
今、自分は一人で御飯を炊いているのだが、おかずが何もない。
君がその卵を使って、何かおかずを作ってくれないか、そうしてくれたら、店にある品物を一つ差し上げる…と言うのである。
二人はたちまち意気投合、少女は女学校の5年生、寺沢新子(杉葉子)、青年は大学受験に失敗した金谷六助(池部良)と名乗り合う。
新子と六助は、道ばたの占いで、新子の姓名判断を見てもらった後、別れるのだったが、それを目撃していた女学校の下級生たちが、新子の同級生に、それを告げ口した事からとんでもない事件が持ち上がる。
理想に燃える、女学校の新任教師、島崎雪子(原節子)は、バスケットの指導中、張り切りすぎて、足をねん挫してしまう。
それを校医の沼田(龍崎一郎)に治療してもらった後、雪子先生は新子から相談を持ちかけられる。
自分宛に、男を装ったラブレターらしき手紙が届いたのだが、それは、内容からして、どうも、同級生によって書かれたものらしい…というのである。
島崎先生は、さっそくクラスで、その行為を卑しい…と注意する。
それを聞いて泣き出す首謀者、松山浅子とその仲間の生徒たち。
その行為は、学校の伝統を考えて取ったものだというのである。
しかし、島崎先生は、それは自分の卑しい動機をごまかす言い訳に過ぎないと一歩も引かない。
この一見、何でもない諍いがだんだんエスカレートして行き、島崎先生は窮地に陥る事になる。
古い因習が残るこの地方では、先生も、理想よりは現実を考え、生徒に妥協せよと、校長ら他の教員たちから責められたのである。
校長の後ろには、PTA会長で、この町を牛耳る「赤牛」こと、井口甚蔵がいた。
あまりに理不尽な成りゆきと、秘かに島崎先生に恋心を抱くようになっていた沼田、さらに、井口に子供を孕ませられて捨てられた妹、駒子を持つ、芸者梅太郎(小暮実千代)、笹井和子(若山セツ子)姉妹らは、島崎先生援護に立ち上がるのだった。
しかし、こじれた問題を話し合う理事会が開催される直前、沼田が夜道で、井口が差し向けた暴漢たちに襲われてしまう…。
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前編である本作はここまで。
後編は「続青い山脈」となる。
今観ると、女学生たちの倫理観、学校側の態度など、にわかに信じられないような展開だが、終戦直後の地方の考え方は、実際にこれに近い状態だったのかも知れない…と、改めて認識させられ、衝撃を受ける事請け合い。
